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こんにちは!
前回大反響を頂いた「スポック博士の呪縛」の第2弾です。
今回は、具体的な内容です。ぜひ参考にして、実行してみて下さい。 |
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呼吸の弊害
人の子は2歳半で幼児として完成します。これが3つ子の魂で、この時の育ち方でその人の一生が決まってしまうのです。いまの日本では、育児法に誤りがあるため、子どもがまともに育たず、多くの成人が半病人になってしまっています。この誤りを正さなければ、日本は近いうちに間違いなく全滅してしまうと私は確信しています。
日本の育児法の誤りをまとめると、以下の6つに集約されます。
(1)離乳食の開始時期の誤り。
(2)おしゃぶり(乳首型)をはずす時期の誤り。
(3)寝相(うつ伏せ寝と横向き寝をさせる)の誤り。
(4)ハイハイとナメナメをさせない誤り。
(5)冷たいものを与える誤り。
(6)乳母車を早くやめる誤り。
(1)については前述の通りです。紙幅の都合で、ここでは特に(2)、(5)、(6)の弊害について述べさせていただきます。
哺乳動物は皆口で呼吸ができません。ところが、いまの多くの日本人は鼻ではなく口で呼吸しています。
鼻は吸い込んだ空気を濾過し、バイ菌や埃が体内に侵入するのを防いでいます。そのため口呼吸をしていると、体を外敵から守ってくれている扁桃腺などの免疫系が直にダメージを受け、病気への抵抗力が落ちてしまいます。小児喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、白血病、リウマチ、悪性リンパ腫などのさまざまな免疫病も、実は口呼吸に原因があるのです。このことを医者が知らないから、免疫病が治せないのです。
もともと赤ちゃんは1歳までは鼻だけで呼吸しますが、5ヶ月からスプーンで離乳食を与えると、早い時期から口呼吸がはじまります。この時期から3、4歳までおしゃぶりを使わないと、子どもは100%口呼吸になります。
日本をはじめ、台湾などのアジア系の人々は、1歳でおしゃぶり(乳首型)をはずしていますが、これは早すぎます。このために現在の日本人の子どもたちのほとんどが口呼吸の癖をもっているのです。私の患者さんに20代の知的障害で喋れない方が10人くらいいます。その共通点は、赤ん坊の時におしゃぶりを一切与えられず、哺乳ビンの乳首の孔を大きくして育てられていて、完全に口呼吸の習慣が染みついてしまっている方です。おしゃぶりを使わないと脳の発達に障害が出るくらい弊害があるのです。欧米では、3〜4歳までおしゃぶりをくわえさせて、噛む力と鼻呼吸のトレーニングをしています。
冷たいものは飲んではいけない
いま日本中で見過ごされているのが、冷たいもの中毒です。子どもはアイスクリームと氷水、大人はビール、冷酒、ペットボトルの清涼飲料水を頻繁に口にしています。ビールを4℃で飲むような野蛮な国は日本とアメリカくらいで、ヨーロッパなどは常温、冬には40〜80℃で飲んでいます。日本も昭和30年以前までは、冷や酒を飲むのはやくざと渡世人だけでした。日本中が冷たいもの中毒になって、上から下まで倫理観が与太者と同じになってしまいました。
哺乳動物の赤ちゃんは、ある期間までは母体の体温の母乳しか飲めません。つまり動物種に一定する体温のもの以外には飲み物がないはずで、これが哺乳動物の赤ちゃんの命の決まりです。
ところが、『スポック博士の育児書』では、冷たいミルクでも良いとされ、このことがわが国に大きな災いをもたらしました。赤ちゃんには、40℃のミルクを与えます。36℃ではいけません。35℃になると赤ちゃんは緑便になり、手や足が冷たくなって、お腹が苦しいためふせ寝となります。
いまでは、赤ちゃんに氷の入った水やジュースを飲ませるお母さんすらいます。こうして2歳半までに冷たいものに味をしめるとあとはアレルギーマーチへ一直線。最後は難病か、魔の17歳冷血漢への道をまっしぐらに進むのです。
大人でも冷たいものを摂って腸を冷やすと、扁桃腺のM細胞から消化されていないタンパク質やウィルスやバイ菌が吸収され、さまざまな難病の引き金となります。
骨休めの大切さ
赤ちゃんが立ったり、歩き始めた時に気をつけたいことは、急かさないことです。二足歩行は重力負担が2倍になるため、大人にとっても決して楽な作業ではありません。未熟な幼児ではなおさらです。できれば3〜4歳までベビーカーを活用し、無理をさせないようにすることが大事です。
重力によるダメージを軽くするには、睡眠とお風呂が最も効果的です。昔から休息のことを“骨休め”といっていますが、昼間自らの体重で押しつぶされた関節も、一晩ぐっすり眠ることで元に戻ります。しかし睡眠不足が続くと、重力解除不足で、白血球を作り出す関節の機能が低下するため、免疫病にかかりやすくなります。
私たち大人の体は、一晩の十分な睡眠中に一兆個もの細胞が新しく作り替えられます。これをリモデリングといいますが、新陳代謝のことです。一兆の大部分が血液細胞と腸や皮膚の上皮細胞です。寝不足が続いて骨休めが足りなくなると、十分なリモデリングができなくなります。そうすると免疫病のうちで最もやっかいな血液の病気(白血病、白血球減少症、再生不良性貧血、血小板減少症、悪性リンパ腫)になります。
大人は8時間、子どもは10〜12時間、しっかり睡眠をとりましょう。その際、横向きやうつ伏せ寝をすると、顔の骨や背骨がゆがんで、下側の鼻がうっ血して塞がって口呼吸となるので、低い枕で仰向け寝を心がけます。
呼吸・食事・睡眠。どんな動物でも、この3つが不適切ではたちまち健康を損ねてしまいます。健全な体に育てるには、生命の決まりにかなった正しい体の使い方を、幼いうちにしっかり身につけさせることが必要です。
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園と保護者と、園児の味方。
北海道から沖縄まで全国の幼稚園・保育園を指導している。
1年間に飛行機に乗る回数は120回を超えるほど、日本中を移動。そんな中で「日記」を書いてくれています。
理不尽なことが大嫌い。普段は「背広モード」か「体操モード」で元気で優しいが、あまりに理不尽なコトがあると「ファイヤーモード」に変身するらしい。 |
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