●会話のキャッチボール(2005年9月)
こんにちは!いよいよ夏休みも終わり、
二学期の始まりですね!
二学期も保育室、職員室、家庭それぞれ頑張っていきましょう!
 “夏休み最後の日の子供の気持ち!”というのがあります。
 これは、宿題の心配をしてるけれども、学校や園に早く行きたいような
 行きたくないような気持ちの事。
 さて、もし子供がこんな事言い出したらどうしますか?

子:僕、今日は当番だから幼稚園行きたくないな〜。(いやそうな顔)

 そんなとき、こんなこと言ってませんか?
 『何言ってるの!ちゃんと行きなさい!』、『そんな事言ってかっこ悪いよ〜』、
 『お父さんに言いつけるよ!』、『どうしてなの?理由を言いなさい!』
 どうですか?

 このようなことを言ってしまうと、
 子供は「次ぎに言いたい事があってもその理由を言う前に違う質問が来て、こたえる気がなくなる」、「大人が聞きたいことを聞いてくるので話す気持ちそのものが無くなってしまう」
 かもしれません。

 では、どうしたらよいのでしょうか?
 はっちゃんマン流の対処法ですが、子供が話した言葉を「ボール」だと思って下さい。
 あなたは、子供がキャッチボールがしたくて「ボールを投げてきたら」どう対処しますか?
 ボールを蹴り返しますか?そんなことしたらキャッチボールは成立しません。
 まして別のボールを帰しても、キャッチボールにはなりませんよね。
 そうです、そのままボールを返すのがキャッチボール。言葉もそのまま返して下さい。
 一般的には「オウム返し」と言っていますが、これが以外に効くんです。どうなるかというと、

子:僕、今日は当番だから幼稚園行きたくないな〜。(いやそうな顔)
母:今日は当番だから、幼稚園に行きたくないんだ。
子:そう!今日は当番だから幼稚園行きたくないんだ。
母:そうなんだ〜
子:そうなんだよ。だって、当番って朝からお帰りまで、たくさん仕事があるんだよ。
  紙を配ったり、みんなの前で発表したり、やることがたくさんあるんだ。
母:当番って、たくさん仕事があって本当に大変なんだね。
子:そうなんだよ。でも当番はみんなにまわってきて、やらなきゃだめなの。
母:みんなにまわってきて、やらなきゃだめなことなんだ。
子:そうなんだよ。みんなもがんばっているから僕もがんばる!僕、幼稚園行ってくる。

 どうですか? この会話は、お母さんがしっかり子供の言葉を受け止めています。
 その事によって、子供が自分で理由を言い、自分で納得して次の行動に繋がっています。
 頭ではわかってはいるんですけど、ついつい大人の感覚で話していませんか?
 子供と会話のキャッチボールをきちんとしてみて下さい。



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はっちゃんまん
 園と保護者と、園児の味方。
 北海道から沖縄まで全国の幼稚園・保育園を指導している。
1年間に飛行機に乗る回数は120回を超えるほど、日本中を移動。そんな中で「日記」を書いてくれています。
 理不尽なことが大嫌い。普段は「背広モード」か「体操モード」で元気で優しいが、あまりに理不尽なコトがあると「ファイヤーモード」に変身するらしい。
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