みぞけんまんの学びの部屋

●ROOM No.2（2007年7月）
「スナフキンの名言集」　「ムーミン」シリーズより

　おや？今月から「みぞけんまんの学びの部屋」と「はっちゃんまん日記」の色が変わっている…！と気がついた方、貴方はすばらしい！
　実は、「みぞけんまん」こと私は、『ムーミン』の登場人物「スナフキン」の大ファンなのです。というわけで頼み込んで、いや無理やり？　スナフキンカラーを自分の部屋に頂戴してしまったというわけです。これでますます気分良く皆さんをこの部屋に招待できるというものです。
　さて、今月はこのスナフキンカラー記念。名作『ムーミン』から私の好きなスナフキンの名セリフをご紹介しましょう。自分の心と向き合いながら読んでみてください。できればハーモニカなどポケットにしのばせて……。

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「でもムーミン、もっと意気地のない弱虫は自分のした悪いことを隠して人をだますことだよ。狼のように強くても腕力があっても、そんなものは本当の勇気じゃないんだ。本当の勇気とは、自分の弱い心に打ち勝つことだよ。包み隠さず、本当のことを正々堂々と言える者こそ、本当の勇気のある強い者なんだ」（新ムーミン第5話：狼なんかこわくない）
　大人も子どももない、人としてもっとも大切な生き方を示した、これぞスナフキン！的名セリフでした。

「“そのうち”なんて当てにならないな。今がその時さ」（ムーミンコミックス第1巻：黄金のしっぽ）
　何事かを成し遂げようとする人の黄金律でしょう。私たち幼児に関わる人間は「子どもにとって大切なのは今このとき」が重要。「そのうちわかるよ…、そのうちできるよ…、きっといい子になるよ…」ではいけない！と受け取ることもできます。あせる必要はありませんが、私たち大人は、子どもが持つ大いなる才能を今から最大限に発揮させてあげよう！と思いを定めなければならないのでは？と思います。
　最後はこの話。事件も事故も起きない平和なムーミン谷の生活に警察署長としてのやりがいをなくし、自分は谷に必用のいない人間だと嘆くヘムル。ついに谷を出るというまでに追い込まれた彼の憂鬱に、みんなで引きとめようとするムーミンたちの陰から、
「大事件を扱うだけが、警察官の仕事ではないはずです。ヘムルさん、困っている村の人の頼みごとを聞いてやるのも立派な仕事ですよ。十分に価値のある生きがいです」（新ムーミン第10話：所長さんがいなくなる）とスナフキン。
　これぞまさしく私立園。いいえ、こじつけなどでは決してありません。私立園の先生たちが普段子どもたちにしていることは決して大きな事ではありません。頼みごとをきいたり相談にのったりするへムル署長と同じように、不安そうな子どもの手をつないであげる、よくがんばった子どもをほめてあげる、なかなかできないボタンかけを少し手伝ってあげる…。そういうことの積み重ねです。でも、子どもたちはこのような先生たちとの小さなかかわりを通して大きく成長していくのです。
　はっちゃんまんが昔言っていました。「思いは大きく、しかし行動は小さく！」って。本当にそうだなあと思います。
　村人の小さな相談を一つひとつ丁寧に聞くヘムル署長の小さな行動が「どんな時でも平和なムーミン谷」という大きな結果を生んだのです。
　ノーベル平和賞受賞時のマザーテレサの言葉「私は大それたことなど一つもしていません。小さなことをただこつこつと積み重ねてきただけです」ともダブります。そう、大きな結果は必ず小さな行動の積み重ねなんです！

追伸
「たとえ作品が壊れてしまっても、作ったときの感動は消えることはないんだよ。永久に」（楽しいムーミン一家冒険日記第6話：ムーミン谷の彫刻展）
　幼児期に教えてもらったこと・覚えたことは、たとえ頭が忘れてしまっても必ず（永久に）体が覚えているものです。ああ！これぞ幼児教育！
「うそをつかない」「他人のものをとらない」「順番を守る」「きちんとあいさつをする」「使ったものは片づける」…。わが友、スナフキンの名セリフはまだまだありますが、今日のところはこの辺で。

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