●ROOM No.27(2009年8月)
「252 生存者あり」
 先日「252 生存者あり」を観ました。DVDレンタル開始の日に、開店前から並んだのは初めての体験でした。そういえば、昨年もこの部屋で「海猿」の映画を紹介させていただきましたが、なぜ伊藤英明はこんなにもレスキュー役が似合うのでしょうか。全編通して、本当に惚れ惚れしてしまいました。映画俳優として、このような「はまり役」は、(時には邪魔になってしまう悩みもあるのかも知れませんが)俳優業としては紛れもなくひとつの勲章でしょう。心からお勧めできる映画の一つです。
 さて、この「252 生存者あり」を観てあらためて思ったのは、やはり常日頃からの防災訓練は大切だな…… ということ。そして災害というものは案外日常生活の中に多く潜んでいるのだな…… ということです。さすがに今回のストーリーのような超ド急の自然災害には、多少の防災訓練など何の役にも立ちそうにありませんが、未曾有の巨大台風が来て生き埋めになろうが、何かにつまづき転んでしまい、打ち所が悪かっただけであの世に行ってしまおうが、最悪の結果である「人が死ぬ」ということについては、同じことなのです。防災の知識はあればあるほど役に立ちます。自然の災害でなくても、現代日本は未だかつてないほど危険なものが増えています。一昔前まではこんなにたくさんの車は走っていませんでした。空き地も多く、遊ぶところもたくさんありました。狭くて危険な駐車場で遊ぶ必要なんてどこにもありませんでした。
 今は誘拐事件も多く、その目的もお金だけではなくなりました。男の子だからといってまったく安心できない時代です。いかに子供に負担にならないよう、安全と危険を教えていくか。それが今の時代の大きな、大きな、親の課題です。安全第一。喜びも悲しみも、生きていてこそなのですから。
 そんなことを考えていたときに、よく使われる「お・と・な・ふ・う」という言葉を思い出しました。「お…重いもの」「と…尖ったもの」「な…長いもの」「ふ…不安定なもの」「う…上にあるもの」に気をつけよう、という標語のようなものです。日常の中には、「重いもの」を「上に」置いたりすることもありますし、身の回りには箸など「尖ったもの」はふんだんにあります。また棒状のものや紐みたいに「長いもの」も。園ばかりではなく家庭にもあるキャスター付きの椅子。その「不安定な」場所から子供が落ちて怪我をした現場も、私は目撃したことがあります。
 避けられるモノは、できるだけ避けましょう。これらの危険はよくあるだけに見過ごされがちです。子供の周りにいる大人として、何気ない風景の中の危険をかぎ取って下さい。
 「大人ふう」というのは、全部そういったものです。日常生活の中の、見慣れた危ないもの。人は、「慣れる」ということも生きていく上で必要ですが、危険なモノに慣れきらないよう、感覚を磨いておきましょう。ただし、勘違いしてほしくないのは、これは必要以上に神経質になるのが本当の目的ではありません。 「危険なものは避けたから大丈夫!」と安心して子供を遊ばせるためですので。念のため。

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みぞけんまん
 みなさん、こんにちは! みぞけんまんです。
 このコーナーは、多くの対象の方(子供に関係する方全て)に気軽に読んでいただこうと思いまして、あれこれと考えた結果、特に親しみやすい「映画」や「本」などを切り口にしながら、あくまでアメリカンに、シュガー&ミルクたっぷり?にお伝えし、「全ての道は私立園に通ず」を実証していこうとするものです。
 みなさん、どんどん遊びに来てください! このページを通して、仕事中だけでなくプライベートな時間にも「ラフに」、しかしながら「常に」、子供たちのこと、保護者のことが考えられるような感性を身につけられたら(学べたら)、どんなにすばらしいことでしょう。そんな学びの部屋へご招待します。
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