2002年度 園だより
3月1日 園長 斉藤昌子
私が、もう 20 年以上も定期的にお世話になっている美容室の先生ですが、お会いする度に元気の素を戴きます。
せっかちの私の性分をよく心得てくれまして、なるべく手早くまとめて下さるので真に気に入っています。それに、最新号の週刊誌を片っ端から読みあさっている私にはほとんど話しかけずにいて下さるのが、何とも心地よくいいですねぇ。あまり広くない美容室はいつも立て込んでいますが、その間を縫うようにひらりひらりとお客さんをさばいていらっしゃるのを感じながら、見るともなしに見ていて心が和むのです。
「私ね、人使い上手なんですよ。」
とおっしゃりながら、
「○○さん ( 美容師さん ) 、そのブラシ取って下さい。」
とか、
「□□様 ( お客さん ) のおクスリ ( パーマ液 ) は 3 番でね。」
とか的確に指示を出されながら、お店全体を活気づよく仕切っていらっしゃるのが素敵です。
毎日大勢の人たちを相手のお仕事ですからさぞや気骨の折れることかと思いますが、ご本人はいつもパワフル全開です。
人に元気を与えられるということは、なんと素晴らしいことでしょう!
私もそういう人間になりたいと思いつつ生きてきましたが、未だに戴くばっかりです。
幼稚園では園児さんから、庭に出れば草木から、そして家庭に帰れば家族から元気の素を戴いて幸せだなぁと思っています。
平成 14 年度も終盤になりました。やり残したことはなかったか?もっと工夫すれば良かったことは? 様々な思いが巡ります。
一年間の締めくくりは新年度への序奏曲でもありますので、より念入りに過ごす 3 月でありたいと願っています。今年度のご協力をありがとうございました。
希望の 3 月 園主 原 篤子
桃の節句のひなまつり、心うれしい 3 月を迎えました。
年長さんは、もうすぐ一年生に、年中、年少さんは、それぞれ進級という喜びとうれしさが重なる月なのです。
大人は一番に、お別れ、名残惜しいと感傷がついてまわりますが、幼児のみなさんにとっては、一段あがって大きく羽ばたく期待にみちた 3 月ではないでしょうか。
私たちにとっても 3 月は、精根こめて保育してきた宝物を手放す時、見送る月でもあります。
お子さまの成長を喜ぶと同時に淋しさも一入(ひとしお) で複雑な心境になるのです。
あとひと月、元気に過ごして頂きたいと思っています。
「栴檀(せんだん) は双葉より芳し」 という言葉があり、又、「大器晩成」 という言葉もあります。
どちらも心理なのです。
うちの子は小さい時から天才肌だと得意になる必要もなければ、ぼんやりしているから、と嘆く必要もないのです。
親があせらないことが大切です。
どうぞ泰然自若としていて、春風のようなやわらかいお母様でいてください。
「となりは隣、うちは家」 ではないでしょうか。
2月1日 園長 斉藤昌子
私は幼い頃、母方の祖父が日曜大工仕事をしているのを見るのが好きでした。几帳面な祖父は、当時まだどこにも売っていなかった炬燵板なども特殊な塗料までどこからか手に入れてピカピカに仕上げていました。
台所や洗面所には、木片を器用に削って一人一人のハブラシ掛けやコップを置く台などが収まり良く作ってあり、時々遊びに行っては新しい工夫の数々を見つけるのが楽しみでした。
中学生になって油絵をやりたいというと、あの金属の仕切が沢山ついている油絵の道具箱を市販のものと少しも違わずに作ってくれる程の技術を持つ祖父でした。
そんな祖父を見ていた所為か、私もトンカチを使う仕事が一番好きです。
祖母は畑仕事が好きでチシャとかコンフリー等、家庭菜園を作ってよく食べさせてくれたものですのに、その娘である母 ( 園主先生 ) は大工道具もさわりませんし、土いじりは一切しません。
私にとって、父方の祖父母の影響かも?と思える思考傾向や、身体の特徴など数え上げればキリなくありますね。
「 隔世遺伝 」 なんて言葉もありましたっけ。
今年も一月末に 「 祖父母ご招待の日 」 を設けましたところ、80 名を越す申し込みを頂きまして、目下お席の確保に嬉しい悲鳴をあげている最中です。
子どもは確実に尊敬する人を真似します。
そういう意味で、お祖父様、お祖母様の存在と役割は大きいのだなあとつくづく思ったことでした。
冬の芽 園主 原 篤子
年が明けたと思う間もなく早 2 月を迎えます。
1 月は行く、2 月は逃げる、3 月は去る、とは良く聞いた言葉です。園児のみなさんは、日一日と知恵をつけ、たのもしく成長しました。将来生きていくために最低限必要なマナーを身につけるよう毎日指導しています。現在はまだ冬の芽のようにかたい感じですが。
字が書けなくても、絵が下手でも、体操が苦手でも、社会ルールを身につけたお子さんは、みんなに可愛がられて必ず幸せになると信じています。
1 番目は、あいさつ 「 おはよう、こんにちは 」
2 番目は、「 はい 」 の返事。
3 番目は、「 ありがとう 」 の言葉。
4 番目は、自分の行動に責任を持つ。ドァをあけたら必ず自分でしめること。出した物は片づける。
体育室の戸を開けたら自分で閉めることをほとんどのお子さんが実行できるようになりました。
お早うの挨拶も最初は先生が先にしてみせて教えますが年長さんになると先生よりも先に挨拶ができるように、を目標にしています。
幼児にいくら口で言っても無理で、先ず親がしてみせて、子どもに実行させ繰り返し習慣づけることが一番です。
理屈ではなく体で覚えたことは考えなくても自然にでき、これが本物なのです。大人になって社会に出たとき大いに役立ち人望を得ること間違いなしです。どんな芽も立派な花になるでしょう。
幼児だからこそしつけられるのです。学校へ行くようになってからでは手遅れです。今の何倍も根気と時間がかかるでしょう。
1月1日 園長 斉藤昌子
平成 15 年元旦、明けましておめでとうございます。
「 一年の計は元旦にあり 」 と言われますが、年頭の決意はその年を過ごす上で、大切なポイントになります。
この一年を 「 我が家の育児方針はこれだ 」 とご両親で話し合うよい機会ではないでしょうか。
昨年までは、どうも 「 過保護 」 気味だったような気がする人、或いは反対にうちの場合は、どうも 「 放任 」 に近かったかな?等々。
色々なケースが考えられますが、この機会に率直に反転させて丁度良いバランスを保つようにしましょう。
お正月の名のもとに生活のメモリクリアが出来るようなものですね。
NHK の丸山浩治氏が 「 育児 」 は 「 育自 」 に通じると言われましたが、子育てしているうちに 「 いつの間にか自分が育っている 」
わけですから 「 子ども 」 とは、なんと素敵な存在なのでしょう。
うっかりするとヒョイと追い越される運命ですが、これは嬉しい限りです。
でも、その日はなるべく遠くに置いておきましょう。
牟礼幼稚園といたしましても、まだまだ工夫を重ねて、園児さんにとって素晴らしい年にしたいと考えております。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
今年の目標 園主 原 篤子
平成 15 年。何となくよい 1 年になりそうな気がしますね。
世の中は不景気な話ばかりですが、愚痴ばかり言っていてもはじまりません。こんな時こそ、不景気は挨拶程度にして、日々の暮らしは気持ちを切替えて明るく行こうではありませんか。
それには上をみないで、下を見ることです。
○○さんは課長さんだから収入が多いので、派手な暮らしをしているとか、よそのお子さんは元気で何でもできるのに、うちの子はぐずで何にも出来ない、と嘆くのではなくて、ゆっくりだけど、ていねいだし気立てがやさしい、とか、日々の食べ物にも困っている人がいるのに比べたら我が家は幸せ、と思えば、有りがたいと感謝の気持ちになります。
母親がやさしい気持ちをもてば子どもは敏感に感じとります。
その証拠には、子どもが寝たら出かけようなどと思っていると、いつもはすぐ寝るのに今日に限ってどうして、と思うほどなかなか寝てくれません。
子どもは親の言うことは聞かずわがままを言いますが、親の態度はしっかりと見ていて真似をします。
子どもが約束を守ったら、ただ 「 良い子だね 」 だけではなく○○をしたねと具体的に話してほめてください。
反対に叱る時にも、だめ、と言うだけではなく○○をしたから 「 いけない 」 とはっきり教えてください。
子どもは褒められたことは良いこと、叱られたことは悪い行いと覚えていくのです。
一人前の人間として生きていけるように、小さい時から良い悪いの区別をしっかり身につけるよう教えておくことが、大きくなって人を傷つけたり悪の道にはまらない近道ではないでしょうか。
「 おもちゃを片付けないと、おやつをあげない 」 ではなくて、「 早く片付けて、おやつをたべようね 」 とはげまして下さい。
「 ばらの花 」 だけが美しいのではなくて、野にさく 「 つゆくさ 」 も心やすまる美しさがあります。子どもはみんな良い子です。
12月1日 園長 斉藤昌子
おゆうぎ会をまじかに控えての先土曜日、高山小学校の第一回音楽会にお招きをいただき楽しく拝見いたしました。
見覚えのある顔があちこちにあって、それだけでもう嬉しくてみんな頑張っているなあと感動してしまいました。
どの学年も小学生らしい澄んだ歌声で、会場を魅了していました。
校長先生のご挨拶で、
「 今年から授業数が減って、中でも音楽は 70 時間が 50 時間にまで少なくなってしまいましたが、音楽の持つ教育的効果は大切なものと考えて、このような形式で音楽会を開催することにしました。
」
早朝練習や長期休暇を利用しての練習が成果をあげたのだそうです。
「 今日家に帰ったら先ず、よくやったと褒めて下さい。悪いところは後回しにして。みんな努力をした筈ですから。」
とおっしゃいました。( 同感です。)
お会いした何人かの幼稚園のお母様方からは、
「 今度は幼稚園の番ですね、楽しみにしています。」
とにこにこ顔です。
幼稚園でも日頃から調和のとれた保育活動を目指していることは、小学校と同じですが、幼稚園の場合は、何といっても子供達が楽しんで参加しているかが、課題なのです。幼稚園児の集中力はせいぜい
20 分くらいが限度ですから、いかに飽きさせないで盛り上げていくかと、先生方は苦労しています。
一人ひとりが喜んで参加してくれるように工夫するので、筋書きからちょっと外れるところもあったりします。
主役もわき役も同等ですからボリューム満点ですよ。
別紙のプログラムのように開催しますのでどうぞごゆるりとご覧いただきますようご案内申し上げます。
健やかに育てるために 園主 原 篤子
いよいよ 12 月。1 年の締めくくりの月となりました。
この 1 年をふりかえる良い機会です。
夜、寝床に入っての 5 分間を有効に。
よかったこと、よくなかったこと、思い出してみましょう。
その場、その時に一番いいと信じて行ったことでも、時がたって考えてみると、一つや二つ、必ず後悔することがあるのではないでしょうか。
済んだことを、くよくよするのではなく、よりよい生き方を前向きに考えて来年の方向づけをして 1 月 1 日から美しい種を蒔きましょう。
我が子に対して少しだけ距離をおきましょう。
2 才くらいまでは、しっかり監督が必要ですが、3 才以降は子供にも少しだけの冒険と自由が必要になります。
片時も目を離さず見つめていれば、あらばかり見えて、つい口を出したくなり、親子共に 「 いらいら 」 がつのります。
危ないからと言って、道路の危険物を全部排除することはできません。いちいち我が子のあとを付いて歩くのも無理というもの。
どうすればよいでしょう?
子ども自身が注意するように、躾けることが大切です。
そのためには親が先回りして、危ない危ないといわないことです。
1 度しっかり教えておけば、遠回りでも、勝手に走り回って少々怪我をしても、みんな勉強なのです。
自分で痛い思いをして経験したことは、大きな怪我を未然に防ぎます。
これらは一にも二にも、お母様の我慢と今期が勝負どころです。
皆様、良いお正月をお迎えください。
11月1日 園長 斉藤昌子
11 月 11 日は、牟礼幼稚園のお誕生日です。
幼稚園は休園になり、お祝いの日としてします。
子供たちもお誕生日が大好きで、その日が来るのを楽しみに待っています。
何故ならば、その日は朝の集会の時に園長先生から 「 お誕生ワッペン 」 を胸につけて頂き、「 何才になりましたか?」 と聞かれます。
「 4 才・・・。 」 3 才だった人も、4 才、5 才だった人も、ちゃぁんと 1 才上の歳を言うことが出来ます。そして一斉に全園児さんからの
「 おめでとう! 」 の祝福コールが響きます。
「 ありがとう 」 と大きな声で言えたら、ふっと肩の荷がおりたような気がします。
そしてお誕生日はお父さんお母さんに 「 生んでくれてありがとうを言う日です。」 ということを話します。 ( 実際にはお誕生会でお母様方に言っていますが。)
その日は一日中ワッペンがついていますので、いろんなお友達から年代を越えて 「 おめでとう 」 の声がかかるので、ご本人はちょっぴり緊張しているのです。
でも、一年に一度の嬉しい大切な日なのですよ。
ご両親にとっても掛けがえのない大事な日だと思います。
家に帰ったお子たちが、「 お誕生日ありがとう 」 等と言ってくれたりしたら、多分例外なくウルウル来ちゃいますよね。
そんな時はどうぞ遠慮なく、しっかりと抱きしめて、「 いい子いい子 」 して下さい。
もうすぐ一年生になる人だって、その日のことは決して忘れることがありません。なんとなくでも、「 親って凄いんだなァ。」 と思うことでしょう。
「 牟礼幼稚園は52才になります。」
紅葉の秋 園主 原 篤子
11 月。いよいよ秋もたけなわになりました。私は、もみじが好きで毎年秋になると紅葉を見たい気分になり、旅行案内を丹念に眺めては、東北がいいな、いや京都の方が、いや、やっぱり安芸の宮島が
1 番などとしばらくの間悩んだ末、土、日だけでは疲れるだけ、となって結局腰があがらず、お流れになってしまうのです。
宮島の 「 もみじ 」 はすばらしいのです。
海に浮かぶ大鳥居を背景に、朱塗りの回廊を渡って、もみじ谷へ歩いて行く道すがら同じ紅でも微妙に違うはっぱを重ねあわせて延々つづく紅葉にうっとりとしていると、突然鹿が目の前に現れてびっくりしますが、おとなしい鹿はまた静かに去っていきます。
鹿といえば奈良の鹿はお辞儀をすると聞かされて半信半疑でしたが、ほんとうでした。
おせんべを出すとふかぶかと頭を下げてお辞儀をしてから食べるのです。珍しくて、可愛くて、見惚れてしまいました。
どうやって覚えたのでしょう。1 頭だけではなくみんななのです。
動物に物を覚えさせるのは気の遠くなるような辛抱が必要です。
すぐに出来なくても人は根気よく繰り返し決して腹を立てませんね。
ところが我が子に教えることになると気が短くなって、だんだん声が大きくなって、どうしてわからないの、となりますよね。
なぜでしょう?
それは動物は 「 わからないのが当たり前 」 と思っているからではないでしょうか。それに引換え我が子は 「 できない筈がない、出来るのが当たり前
」 と信じているからこそ気が短くなるのでしょうね。
小さいお子さんは 「 知らない 」 のが当たり前ですから、人に迷惑をかけないよう 「 マナー 」 は根気よくお教えください。幼児に算数や国語の知識をおしえるのは百害あって一利なしですが、社会道徳はお子さんにとって一生の宝になります。小さい時に身についたことは大人になっても自然に身のこなしに現れるものです。
10月2日 園長 斉藤昌子
今年も新入園児募集の時期がやってきました。
見学に訪れる方も多くなり、説明会を設けない当園ではお一人おひとりにご理解頂けるように、全員で気配りを欠かせません。
そんな時、特に好印象を発揮して見学者を驚かせるのがなんと、牟礼幼稚園の園児さん達なんです。
園長がご案内して、各保育室に入りますと、皆が口々に 「 こんにちはァ...」 と寄ってきます。私も急いでお名前を伺って、「 ○○ちゃんですよ。」
と伝えます。
中には 「 遊ぼう。こっちだよ。」 と、手をとらんばかりに誘ってくれて、大人たちがお話ししている間にも、すっかり子供たち同士で溶け込んでいます。
そんな姿をまのあたりにしますと、お子様にとって何が必要なのか、幼稚園とは何か? などが、自然に理解できますので、園長のしち面倒くさい説明などは何処かへ吹っ飛んでしまうと言うものです。
「 子供の躾は挨拶から始まる 」 のは言うまでもないことですが、それがどれほど身についているか? が問題です。
牟礼幼稚園では昔から ( 50年前 ) 終始一貫、挨拶を基本に躾をしてきました。
躾というものは、一夜漬けではききませんので、毎日毎日の先生方の弛まぬ努力しかありません。
かつて小学校の校長先生から、
「 牟礼幼稚園からきた子はすぐわかります。こちらが言わなくても自分から元気よくおはようございますの挨拶が出来ていますね。」
と、お褒めいただいたことが思い出されます。
当園の先生方に感謝しつつ、見学者の方をお送りする今日この頃です。
そのひとこと 園主 原 篤子
タクシーの中に 1 枚のポスターが貼ってあり、それには次のような標語が書いてありました。
「 たった一言が人を喜ばせる 」
「 たったひとことが人を傷つける 」
私たちも普段何気なく話したあとで、「 しまった 」 と思うことが時々ありますね。
親切のつもりが、かえって相手を不快にさせてしまうことなど。
一旦口に出した言葉はもう元にはもどりません。
覆水盆に返らず、のたとえの通りです。
「 いつも 」 という言葉は成功したり嬉しかったりした時には最高のおくり言葉ですが失敗したときや、悲しがっている時には禁句ですね。
我が子にたいしては、「 まだ 」 は禁句にして、「 もう 」 を連発すれば必ず良い子になります。
例えば、
指示したことを半分しか出来ていなくても、「 もう半分もできたのね。」 と言うと子どもは、ほめてもらった嬉しさに残りを元気に仕上げるでしょう。
反対に 8 分どおり出来ていても、「 まだできないの、もう少しなのに。」 などといわれると、やる気がなくなってしまうものなのです。
子どもを自由にのびのびと育てることは大切ですが、我がままなのは困ります。自由と放任はちがいます。
小さい時から社会のルールだけはきちんと教えるのが親の 「 つとめ 」 ではないでしょうか。
他の人に迷惑をかける自由はないものと教えてください。
牟礼幼稚園の園児は歌が上手です。すべての行いが最高になるよう信じて保育に励む毎日です。
9月2日 園長 斉藤昌子
今年の 「 盆踊り 」 もお天気に恵まれて楽しく賑やかに踊ることができました。
恒例になった牟礼青年団の 「 お囃子 」 もリズミカルで清々しく、和太鼓の響きが印象的でした。ありがとうございました。
年長児の男の子が 「 カッコイイネ 」 と呟いていたので、嬉しく思いました。
みんな可愛い浴衣姿で、それぞれ年代に合った踊りを披露してくれましたね。
無事に一学期が終えた事を感謝しつつ、すっかり良い気分に浸っていました。
園では日頃も、できるだけ日本の伝統的な行事を大切にした保育活動をと心掛けています。とくに 7 月は 「 七夕 」 もありましたし、こうして親子ご一緒に楽しいひとときを共有できることは、素晴らしいことです。
子供たちはもとより、親御さんたちの嬉しそうなご様子を見せて頂けるのが、園主先生はじめ職員にとっても、これまた幸せな瞬間です。
そして 8 月 1 日の宵、本当に久しぶりに牟礼の神明神社境内での 「 納涼盆踊り大会 」 に出掛けました。
中学生以来ですから、ウン十年ぶりになりますが・・・・・。
往時の、昼なお暗く鬱蒼(うっそう)と木々が繁っていた境内の面影を、懐かしく思い出しながら、賑やかな踊りの輪に見入っておりました。
高い櫓(やぐら)の上で東京音頭やアンパンマン音頭などを、上手に踊る園児さんがいっぱいでした。「 昔はここに竹藪があって、そこを大きく回って坂道を登って、三鷹台まで毎日通ったもんだったっけ。」
と。
思わず遠くを見る目になっている私でした。
2学期を迎えて 園主 原 篤子
長い夏休みも終わりました。
久しぶりに園児のみなさんの元気な姿に接し、暑さなんかどこへやら。歓声あふれる園内を、歩きまわったことでした。
「 先生、ぼくねー○○に行ったよ。」 「 車でおばあちゃんちへ行ったの。」
「 楽しかったのね、よかったね。」
「 先生はどこへ行ったの?」
「 どこへも行かなかったのよ。」
「 なにしてたの?」
「 ご本を読んでいたの。」 ふーんと不思議そうな顔をした年中さん。
これは 3 日前の夏期保育の時の会話です。
お休み中無為にすごしたようで反省したことでした。
いよいよ充実の 2 学期が始まります。
お母様方もお休み気分を終わりにして、朝の登園時間には遅れないようご協力ください。
9 時 20 分までに保育室に入るように。
1 番大事な朝の集会に遅れないようにすることは約束を守る第一歩です。
人として大事なことは約束を守ることです。
約束を守らない人は信用されません。
子どもの時から約束を守ることが大切だという習慣を身につける良い機会です。
遅れても部屋にはいることは出来ますが、子どもの心に、遅れても平気という感覚が身につくことが怖いのです。
2 学期は自立にむけて一歩進めます。
自立とは何でも出来なければいけないことではなく、
自分でやってみようという、
むつかしそうでも出来るところまで自分でやってみる
という気構えのことです。始めから上手な人はいないのです。
7月1日 園長 斉藤昌子
桜の開花が早かった今年は、じゃがいもの生育が良く例年より 2 週間も早く収穫することになりました。
3 月に植えつけをしましたが、一寸少なめの収穫でした。
原因は多分、土の栄養が確実に減っているのです。
以前のように、秋に落ち葉を集めて焚き火をしてその灰を畑に撒いて冬を越す等ということが出来ません。
種苗屋さんの話では、売っている 「 くど石灰 」 さえも近頃はダイオキシンの心配があるとかで、農家の人達はじゃがいもの切り口にまぶさない方が良いと言っているとのことでした。そこで切り口は、半日ほど乾燥させてから植えました。
真冬には、先生たちで土を耕して虫よけもしました。
でも子ども達は目を輝かせて雨あがりのあとの土の感触を楽しみ(?)ました。そしてささやかながらも、こうして自然の恵みを感じてもらえる事が有り難いことだと思います。
近いうちに塩茹でにして食べることができそうです。
じゃがいもは、カレーライスに入っているか、フライドポテトしか知らなかった子供たちのびっくり顔が、今年もまた見られることでしょう。
牟礼幼稚園では、ダンゴ虫はじめミミズやバナナ虫、アリンコが常駐していて、子ども達のよい遊び相手です。同時にハコベやオシロイ花も、沢山とは言えませんけれど自由に採ってよいことになっていますので、最近ではせっせと色水ごっこをする子たちで賑わっています。
6月1日 園長 斉藤昌子
「 這えば立て、立てば歩めの親心 」 とは、親心を誠によく言い得ていますね。
わが子が初めて歩いた日は、確かに両親にとって最高の記念日でした。
ところがここに、ひとこと 「 はやく 」 という言葉が加わると、大意が一変してしまいます。子供とってはそれが大変な負担になるのです。子供たちは親が喜ぶ顔を見るのが好きですから、かなり無理してでもやってしまいます。
それが自然体であるうちはよろしいのですが、もし少しでも不自然な速さがあると、確実に注意信号がつきますね。
体に変化が現れたら ( 病気等 ) 赤信号ですから一時ストップしましょう。
なにも急ぐことはありません。
雨で一週間延期になりましたが、園児さんだけで行く 「 遠足 」 にしても決して無理をしないでください。と申し上げております。
新入園児さんたちは、この一ヶ月余り、遠足に向けて歩く練習は勿論のこと一人でお弁当を食べたり、カバンにしまったりの練習を積んできました。
その成果が 「 遠足 」 の時に発揮されるのです。
ある時、どうしてもお母さんと離れるのが不安で、泣いてしまうお子さんがいました。お母さんはせっかくの楽しい遠足に何とか行かせてあげたいと思われたのですが、園長の判断で次のチャンスを待っていただくことにしました。
そして素直に受け入れて下さったお母様のご苦労は、確実にみのりました。
その後の成長はめざましく、秋には何事もなく参加できました。何よりも驚くのは年中になって始まったピアノや絵画のおけいこを、きちんと理解して出来ていたことです。少しゆっくりしていただけだったんですね。
信じて従って下さったお母様の成果を、ご報告できることに感謝しつつ。
父の思い出 園主 原 篤子
6 月には父の日があります。
今、改めて子どもの頃の父親のことを思いだしてみました。
父は口数の少ない謹厳なタイプでしたが、私は一度も叱られた思い出はありませんし、よく遊んでもくれましたが、でも何となくこわい存在でもありました。
私が小学 6 年生の時、今と同じように受験勉強をしていました。
200 人の定員に対して 800 人以上が受験していましたから、目的の学校にはいるために毎朝 5 時に起きて算数の勉強をしていたのです。
父も母も隣の部屋で見守ってくれていました。
わからない問題があると父がとことん説明をしてくれました。
それでも理解できないと二日でも三日でも根気よく説明を繰り返してくれましたので原理がよくわかるようになり、どんな応用問題でも解答でき学校ではいつも
100 点を取るのは楽でした。
又ある日曜日 4 年生の頃だったとおもいます。石鎚山という山に両親と弟と 4 人で登った時のこと、下山がおくれて山の中腹で日が暮れてしまったことがありました。
暗い中私は父の手にぶらさがるようにして歩いていました。
突然海の方から強烈な光がさっと流れてきたのです。
驚いている私に父が 「 これはサーチライトと言って山の中を調べているんだよ 」 と教えてくれました。
呉市の軍港なので、周りは山に囲まれ前面が海で軍艦がたくさん配置されていました。その軍艦からの光線だったのです。
まともに照らされた時父が 「 軍艦の人の方がさぞ驚いているだろうね 」 と笑っていいました。あちこちの軍艦から一斉に光が流れ不思議な光景でした。
この時に 「 サーチライト 」 と 「 イルミネーション 」 という言葉をおぼえました。
断片的に父のことを思いだして、父は硬いだけではなく案外家庭的な人だったと。父の行動で教えられたことは 10 指にあまります。
父の日を前になつかしく思い出しています。
5月1日 園長 斉藤昌子
14 年度の春です。
新入園児の皆さんも、すべりだし好調の様子で何よりと嬉しい限りです。お母様方の落ち着いたご様子が素晴らしいのです。牟礼幼稚園の園主先生が、ずっと変わらずに提唱しているように、「
子育てはあせらず、のんびりと、コセコセしないで育てましょう。 」 と言う信念が、間違いなく浸透しているように思えて嬉しいのです。
未就園児さんのための 「 なかよし教室 」 や、 「 ことり組 」 にお通い下さった皆さんが、その雰囲気をつくってくれました。
もうすっかり落ち着いて、ずっと前からの牟礼幼稚園のお友達のように見えますよ。
近頃 「 日本の国はどうなっちゃったんでしょう...。 」 と嘆く前に、こうして新しい命を育てる若い心が芽生えていることに、感動を覚えるのです。
「 子どもをどう育てたらいいのか、判らないんです。叱り方はもっとわからないので。」 と率直に問いかけてくださいますので、私たちはなるべく具体的にお話しています。そして一緒に考えています。
一年、三年とお通いになるうちに確実に成長されていく、お母様方が頼もしいです。
子ども達のお陰で 「 親 」 と呼んでもらえる幸福は何ものにも変えがたい 「 宝物 」 ですね。
花いろいろ 園主 原 篤子
薫風かおる 5 月、弱々しかった新芽もたくましく伸びて日一日と色濃く成長しています。
小さな庭にも春が来て、真っ赤なチュウリップ、ピンクのばら、横には、真っ白いカラーが頭をだしてきました。
つつじが一斉に咲きそろい、スイトピーがあっと言う間に 80 センチにもなり先頭に花をつけています。
目立たない地面には、すずらんも可愛い花をつけました。
花ばなは、それぞれ美しく、どれが一番きれいとは言えない素晴らしさがあります。
みんな違うのです。違っていて美しいのです。
ふと思いました。
子どもも同じではないでしょうか。
どろんこ遊びの得意な子、虫探しに夢中な子、元気な子、おっとりとして静かな子、どのお子さんが 1 番などとは言えませんですね。
みんな違っていてこそ、良いのではないでしょうか。
花にたとえれば子どもは、苗のようなもの、大事に栄養を与えて育てれば、必ず美しい花が咲く筈です。
しかし悪い芽もあります。
よい花を咲かせるためには、無駄な悪い芽を早めにつみとっておくことが大切です。
幼稚園の先生方は、お子様が横みちにいかないよう、毎日真剣に保育にはげんでいます。
やがて立派な花が開くことを信じて楽しみにしているのです。
4月5日 園長 斉藤昌子
14 年度が始まりました。
新入の園児さんも進級した園児さんも、期待で胸をいっぱいにして幼稚園の門をくぐっていらっしゃいましたね。
牟礼幼稚園の先生方も、お休み中は一生懸命に準備をして、今日の日を待っていました。
これから一年間皆さんが 「 幼稚園て楽しいね 」 と思えるように、工夫しながら計画を進めて参ります。
保護者の皆様には、当園をお選びいただいて誠にありがとうございます。
卒園までのご縁を十分に生かして、お子様の成長のお手伝いをさせていただくことを嬉しく思っています。
「小学校に行ったとき困らないように」とも言えます。
また新しい時代の要請にも、できるだけ敏感に対応したいと思っていますので、お気づきの点がございましたら、おっしゃって下さい。
4 月は生活の変化が大きいので、健康管理には特にご留意下さい。
それには早寝早起きが必須条件です。
ごあいさつ 園主 原 篤子
ご入園、ご進級、おめでとうございます。
皆様、今日の日を一日千秋の思いでお待ちになったことと存じます。
わたくし達も、わくわくしながら楽しみに準備を重ねてまいりました。
ご存じのように、幼稚園は単なるお子様預かり所ではございません。
学校教育法に従って幼児を立派な人格になるよう素地を作ることを目標に保育してまいります。教育といっても文字などを教えることではなく、良い悪いの区別をしっかり身につけてほしいのです。
自分のわがままのために、悪いとも思わず人を傷つけるような青年にならないよう、小さい時こそ大切だと思っています。
友だちと元気に遊ぶ楽しさの中から、自然に相手も自分と同じものがほしいと思っていることを知り、代り番ことか、待ってあげよう、という心を育ててまいります。それには保護者のみなさまのご協力が必要です。園の方針にご理解いただきますようよろしくお願いいたします。