2003年度 園だより
3月1日 園長 斉藤昌子
3 月は毎年のことながら、感慨深いものがあります。
卒園生を送り出すにあたって、やり残したものはないか?
本当に真剣な毎日と、十分な保育が出来ただろうか?
学校へ行って、困るようなことが出て来はしないかしら?
と、反省と同時につい余分な心配までしてしまうのです。
そんな 2 月のある日、高山小学校一年生 「 生活課 」 の授業で 「 昔の遊びらんど 」 へ来て下さい、というお招きを受け、他の保育園の方々と共に、少し緊張しながらも喜んで参加しました。
広い体育館のあちこちに 「 ふくわらいや 」 「 けんだまや 」 「 こまや 」 「 すご六や 」 等のお店がセットされ、一年生にひとりずつ手をつないでもらいながら、一緒に遊んで頂きました。優しい先輩のリードに大満足のひとときでしたし、昨年卒園した、今は一年生の頑張っている姿も確認できて嬉しかったです。
学校側の意欲的な地域への働きかけが感じられて、素晴らしいと思いました。
そして、 「 終わりの会 」 が始まった時に私の感動はピークに達したのです。
一年生と対面した我が牟礼幼稚園の園児達は、ごく自然に正座をしていました。
年長組は毎朝 10 分~ 15 分程度の正座ですが、すっかり身に付いているのです。
普通こういう時は 「 体育座り 」 をするようですが、一人残らず正座をしているのは圧巻でした。学校の先生方に、 「 みんなおとなしくて良い子ですね。
」 と言って戴き、積み重ねの大切さを感じると共に、ちょっぴり誇らしく思いました。
安心して卒園の日を迎えられるという自信が沸いて来ました。幼児教育の醍醐味を味わった瞬間ですね。
また同じ思いで毎日真剣に保育にあたっている当園の先生方にあらためて感謝です。
幼い頃から幼稚園の先生に憧れて、念願の職業についた人ばかりです。
「 子供の幸せを願う仕事に携えることが何よりも幸せです。」
と言い切っております。
さくら草 園主 原 篤子
庭先に雑草が一斉に芽をだし、やわらかな若草色がお日さまの光を受け輝く様子は美しく夏になると目の敵にして抜かなければならない雑草も、春の間は捨てたものでもない、と思っていたある日、突然に一面ピンク色に変わったのです。
おどろいて近寄ってみると、なんと、さくら草が一斉に花をつけていたのでした。
はこべ、つめくさ、等の野草の間からすっと茎をのばし可愛い花を咲かせているのです。
さくら草の好きな私のために、去年から種を蒔いて育てて、と感激すると共に、遠くから見て、ひとくくりに雑草と思いこんでいた自分を恥じたことでした。
雑草という名の草はない、とは昭和天皇のおことばです。
子どもも、ひとくくりに、よい子、わるい子、とは言えないと思います。
そばでよく見れば、みんなすばらしい花の種を持っています。
その花を立派に育てるのが大人の役目ではないでしょうか。
進級を機会に一つ。
自分にされてはいやなことは、人にもしないようにしましょう。
2月1日 園長 斉藤昌子
3 学期に入った今、幼稚園は最高に落ちついています。
毎日の生活の中では、より密度の高い保育活動が展開されていますので、まことに微笑ましいものが沢山あります。
年少の○○ちゃん、園庭でひたすら走っているので声をかけました。
「 どこ行きですかぁ? 」
「 新幹線だよー。」
「 あー、それだから速いんだねー。」
「 うん。」
とにっこり。更にスピードを増して通り過ぎます。いいですねぇ。
また、砂場でせっせとつるつるだんごを磨いている年長児。そしてそのやり方をじーっとみつめる□□ちゃんがいます。先生たちの視野にはそんな光景が入っています。でも、声をかけることなくずーっと待っているのです。
別の日、おずおずと砂場にしゃがんで砂を丸めている□□ちゃんの姿がみつかる筈です。その時すかさず声をかけます。
「 □□ちゃんすてき! 大きなおだんごできたね。」
と。
自らやる気を起こした時にこそ、大人の温かい眼や声が大切です。
毎週開かれる職員会議では、競って喜びの報告があります。
「 今日は△△ちゃんが、ころんでも周りに人がいなかったので泣かないで起き上がっていました。(爆笑) 」
「 ◎◎さんはドッジボールで負けたことが悔しくて、いつまでも引きずってしまった。」
「 いつも一番にこだわっている◇◇さんが、お友だちに譲っていたのよ。」
「 聞いて聞いて。☆☆ちゃんがね。」 と、楽しい一時を共有するのです。
担任の先生たちのお邪魔虫は承知ですが、私もできるだけ保育の現場に入り込んで園児さんたちの生の姿を、肌で感じるのが大好きです。
生きる力 園主 原 篤子
日だまりに野良猫の親子が、のんびり日向ぼっこをしている。今日は日曜日。どうやら我が家の庭は野良のための遊び場であるらしい。
12 月に生まれた小さな子猫も今では赤ん坊の城を通り越して半人前ではなく半猫前になっている。
3 匹の子猫は戯れあったり走りまわったりしていて母猫は長々と寝そべって眼を細くしてながめている。
子猫は時々居間の前にきてガラス越しに中をじっとみつめる。私と目が合っても、たじろぐことなく平然として、しばらくすると回れ右する。母猫は横目で眺めている。
どこで食べ物を調達しているのだろう。
野良の身の上で 3 匹の我が子を養うたくましさ。
寒風の中、さざんかはまだ花を残し椿はつぼみが一斉に膨らみ葉牡丹は 10 センチちかくのびてきた。
皆たくましく生きている。
人の子もたくましく成長する力をもっている。
足を引っぱることなく成長を見守りたい。
足を引っぱるとは親が手とり足とり世話をやくことを言います。
失敗しても遠回りしても子どもが自分で考えたり経験したりして身につけたことは一生の宝です。
知識はすぐ身につきます。しかし一番大切な技や動作は毎日の積み重ねがないと身につかないのです。
場に応じて対応できる能力こそ生きる力なのです。
我が子の生きる力を応援しましょう。
1月8日 園長 斉藤昌子
新年あけましておめでとうございます。
皆様お揃いで、健やかなお正月を迎えられたこととお喜び申し上げます。
昨年中は皆様のご理解、ご協力のもとに無事に年を送ることができました。
感謝の心でいっぱいです。
今年も更なる園児さんたちのご成長を願って努力と工夫を重ねて参りますので、よろしくお願い申し上げます。
12 月のおゆうぎ会は楽しかったですね。
一人ひとりの真剣なお顔が浮かんできますが、ご家庭でもさぞかし会話が盛り上がったことでしょう。
園児さんたちによると、
「 良くできたねぇ。って言われたんだ。」
とか、
「 あのね内緒にしていたからいつ覚えたの?ってびっくりしてた。」
とか、中には、
「 べつにぃ 」
という冷めた発言もあったりして...。
幼稚園という環境の不思議さですが、一年一年成長の度合いが違います。
特に 2 学期は、一寸ずつ背伸びをするような行事をいろいろ体験しましたので、ぐーんと伸びた人が多いので、嬉しい限りです。
「 園だより 」 でもここのところ、度々 「 過保護はやめよう! キャンペーン 」 を掲げてきましたが、今年はかなり徹底してきたように見受けられるのです。
送迎の時に、幼稚園バックや上履き入れを親ごさんがもっている姿を見かけなくなったように思います。(?)
「 自転車での送り迎えを減らしました。」 という方もあるのではないですか?
心なしか朝の自転車が少なくなったように思うのは、気のせいでしょうか。
年の初めにあたり、ぜひぜひ子供たちの一歩先を目指して歩きましょう!
始業式を迎えて 園主 原 篤子
平成 16 年の新春
園児の皆さんの笑顔と笑顔
あー今年も幸せな一年になりそう、と心からうれしくなりました。
6 という数字も、丸みがあっていいですね。
人の心も、丸くありたいもの。
気は長く心は丸く腹立てず 人は大きく己は小さく
他人を悪く言えば必ず自分も人から悪く言われている、と昔の人は言いました。
道で卒園生に会うと、みんな無条件に笑顔で手を振ってくれます。
子どもの心は美しい、と嬉しくなるのです。
保護者の皆様
今年もご家族揃ってお元気でたのしい毎日でありますように。
12月1日 園長 斉藤昌子
幼稚園では毎月必ず避難訓練日を設け、火事、地震に備えての訓練をしております。11 月の訓練日には、今年初めて上履きのままで庭に出て並びました。
非常ベルを鳴らし全クラスの担任が人数を報告し終えたところで 2 分 30 秒でした。1 学期に比べて一段の進歩でした。
年少さんだってけたたましい非常ベルの音にも、ひるむことなく整然と歩いて並ぶことが出来て、ホッとしています。
でも、それだけでいいのかな?
幼保研究会事例集より抜粋します。
2 子どもへの安全指導
子どもが安全に対しての心構えを育てていくためには、避難訓練や保育者の話などといった大人側からの働きかけだけでは十分ではありません。安全に配慮されすぎた保育室や園庭で危険について話をしたとしても、子どもは実感を持って危険を感じるわけではありません。
子どもは自分が危険かどうかを判断して、自分の力を試そうとします。たとえば、自分は階段の何段目から跳べるかという遊びの中で、自分の力を計ったりすることがあります。また、調理等で包丁を使う場合には、子どものほうが自ら注意して使おうとします。はさみを使わせないのが安全指導ではなく、はさみをうまく使いこなし、大人がいなくても安心して子どもに任せられるようになっていくのが、安全指導なのです。
危険なことは身の回りにたくさんあります。幼稚園や保育所を卒園すると、子どもたちは自分の足で、自分で安全を確保しながら小学校に通わなくてはなりません。園の管理責任を考えると、どうしても安全ということに過敏になりやすいのですが、子どもが自分で生きていく力を信じるならば、子ども自身が安全か危険かを判断するような場をどのように保育の中に確保するかということも、安全指導としては大事なことなのです。ひ弱な子どもをつくるのではなく、自ら考えて自分の安全を確保するような安全指導こそもっと研究されなければなりません。
バス停にて 園主 原 篤子
三鷹駅南口前に一本の欅(けやき) の大木があります。
今頃は日一日と葉の色が変わり、バスを待つ間たのしみに眺めることができます。
この欅、駅前整備の時、深夜どこからか運ばれてきた大切な市の木なのです。この欅、眠っている間に山の仲間から引き離されて目が覚めたら町の真ん中に移されていた、とあってさぞ驚いたことでしょう。
今は市の木として大切に手入れされています。
春には若芽をつけ長い冬が終わり希望の春がきたことを教えてくれ、夏には緑の葉がしげり涼しさを添え、色美しい秋が終わると、やがて一枚一枚葉が落ちて、こんどは全身に電球を取り付けられて、クリスマスを迎えます。
欅は夜も眠れないと迷惑に思っているのではないでしょうか。
それとも、世の人々に、きれいだね、と喜んでもらえて幸せ、と満足しているのでしょうか。
こんな事を考えているうちにバスがきました。
一日一善、がんばりましょう。
11月4日 園長 斉藤昌子
菊薫る秋真っ盛りです。
大自然の営みに従って、野に山に実りの時を経て紅葉が広がっています。美しいことこの上なしですね。
園児さんたちも一段と成長されて、逞しくなりました。最近、新年度の入園希望の方々が、見学にこられて先ず発見されるのが、年長、中、小の身体の大きさの違いやお客様に対する挨拶や態度の差です。
幼稚園に入ってこられるお客様には、きちんと 「 こんにちわ 」 と言えるようになりました。年少さんなどは口々に 「 コンニチワァ 」 と言いながら、自分より小さなお友だちを囲んで、「
アタシ 3 サイ...」 「 4 サイニナツタノ...」 と大騒ぎ。
中には、「 イッショニアソボ 」 と言いながら手を繋いだりして...。
その可愛らしさに思わずにっこりです。
個人差はありますものの、大部分の人たちは身に付いてきています。
幼児はお友だちの影響が大ですので、クラスの中で自然に覚え、いつの間にか見よう見まねで身につくのだと思います。
「 まだ早いかと思っていましたが幼稚園に入れて良かったです。」
という声が聞こえるのもこの頃です。
年中さんになると一旦覚えた良い習慣が、崩れることがあったりします。
それは彼ら独特の 「 照れ 」 や 「 自意識 」 が芽生えるのか、わざと知らん顔をしたり、「 悪い言葉 」 を使ったりして、保育者や親ごさんを悩まします。
でもそれは、ほんの一時期のことですから、心配はいらないのですよ。
新たに覚えた 「 悪い言葉 」 の魅力に取りつかれているだけなのです。
いずれにしても幼稚園の小さな 「 外交官 」 に期待しております。
みのりの秋 園主 原 篤子
柿食えば鐘がなるなり法隆寺
秋も深まり柿のおいしい季節になりました。
みのりの秋ですね。
この頃は少なくなったように思いますが、道を歩いていて、ふと、他所の家の庭先に鈴なりに実のついた柿の木を見ると何となく幸せな気分になったものです。
園の農園で大切に見守った紫蘇に実がつき、園長みずから指先を真っ黒にしながらつみとり自宅で煮てきて昼食の時、園児の皆さんに上げました。
みんなが口々に、美味しい、おいしいの声。
苦労にむくいる何よりの言葉でした。
稲がみのり 色々な果物もみのる秋
現代は一年中、いつでも何でも食べられる時代で、皆様は特別な感情はお持ちにならないと思いますが、やはり自然にみのる時期が一番おいしいですね。
子どももやがて充実した時をむかえます。
最高に美しく賢いひとになってもらいたいとは誰でもの願いですね。
そのためには春から心して育てなければできない事なのです。
春とは幼児の時代 - 今 - なのです。
体だけ大きくなっても精神が育っていなければ、嫌われ者になるでしょう。
心を育てるとは、
善いこと悪いことの区別をしっかり教える。
自分さえよければ、という我がままを抑える。
自然に思いやりの心が育ちます、「 今 」 を大切にしてください。
10月1日 園長 斉藤昌子
10 月は作品展と遠足があります。
牟礼幼稚園が特に力を入れているのは、遠足です。
春は入園間もないお子さん達がいますので、大型バスで神代植物公園にいきましたが、いよいよ秋は井の頭西園まで歩く 「 遠足 」 を行います。
6 月にもお父様と散歩しましたのでお馴染みの場所です。
往復共歩いた方もありましたね。
素晴らしいと思っています。
日頃お母様方に、「 なるべく歩いて 」 通園して下さるようにお願いしていますけれど、ついつい自転車が多いのは止むを得ませんね。
でも中には、思い切って 「 なるべく歩いて 」 を実行して下さる方がありまして、そのお子さんの足は、本当にしっかりしています。
途中でへばったりしません。
そういう私も実は歩くの苦手の一人ですから、あまり大きいことは言えないのですが、ドクターからも歩け歩けと言われています。
子どもの頃は、吉祥寺や三鷹台へは否応なしに歩くしかなかったのですから足は丈夫な方でした。今は横着が加わって歩きたくないのですが、これから育つ園児さんたちは違います。
1 年から 3 年間かけて毎朝の通園は、お金もかからない絶好の運動になる筈です。
園バスもないし、道幅も狭いしをチャンスとして、ぜひ 「 歩こうかい 」 を流行らせてみませんか?
少しでもお子さんたちにとって、きっかけになればいいなと願いつつ、当日の天気を祈っています。
気くばりとは 園主 原 篤子
かわいい我が子の無事な成長を願わない親はいないでしょう。
しかし、あまりに日常的なこと故に油断して、うっかり見過ごして大きな事故につながるケースが多いようです。
以下実際にあった事例を書いてみました。
1.床にのびた電気コードにつまづいて炊飯器をひっくり返し、熱いご飯が手について火傷をした。ご飯は流れませんから熱湯よりもひどい 3 度の火傷になりました。
2.玄関マットが床から少しはみ出ていて、そこを踏んだために転倒してタタキに顔を打ち付けた。
3.テーブルクロスの端をひっぱって熱い味噌汁を頭からかぶった。
4.フォークを持ったままふざけていて、転び顔に突き刺さった。
最近もお箸が喉に刺さって死亡した事件がありましたね。
5.カバンを肩にかけたままジャングルジムに登り、降りる時に、カバンの紐が引っかかり宙吊りになった。
滑り台での死亡事故は何回かありましたね。
6.幼稚園のプールにのぞきこんで頭から水の中に落ちた。
幼児は頭が重いので洗濯機の中にでもすぐに落ちるのです。
以上数例ですが、いずれも親の気くばり、によって防げる事ばかりです。
事故が起きてから自分や人を責めるのではなく、日頃から注意してたとえ他人のお子さんでも危ない行為をしている時は止めてあげて下さい。
9月1日 園長 斉藤昌子
今年は梅雨が長くて、本当に暑い夏が待ち遠しかったことでした。
8 月になって一気に夏が到来しましたので、海に山にと大忙しのことだったのでは?
終業式の日にお約束したことを、もう一度おさらいしてみましょうか。
1.ご挨拶 ( おはよう、ただいま、ありがとう etc. ) をしましょう。
2.呼ばれたら、「 ハイ 」 とお返事を。
3.玄関の靴を揃えて。
この 3 つが身につけば、幼稚園課程修了といえますね。
牟礼幼稚園では一貫して、この躾の 3 要素を貫いて来ました。特に 3 つ目の 「 靴を揃える 」 は、物事のケジメをつけることを覚えます。靴を脱がない外国人は、席を離れるとき、「
椅子を中に入れる 」 ことを厳しく躾けています。
家庭と幼稚園とで一貫して教えれば、頭の柔らかい幼児たちは簡単に身につけることができますのに、この時期を逃すと一寸厄介なことになります。
今の日本で一番大切なのは、幼児教育です。
ニュースで少年少女たちの悲惨な事件をみるにつけ、「 明日では遅すぎる 」 と叫びたい衝動に駆られるのは、私だけではない筈です。
このままで良い訳がないですよ。
幼稚園の先生がたも、地道な努力を続けています。一生懸命やっています。
親御さん達は勿論のこと、お祖父様お祖母様、叔父様叔母様、ご近所の小父ちゃま、そして小母ちゃま達みんなで、健全な幼児を育てましょう。
世界に誇れる日本の姿を取り戻したいのです。
子どもの成長 園主 原 篤子
9 月 1 日、始業式。元気な顔が揃いました。
「 みなさん、おかえりなさい。」
久しぶりに帰ってきた我が子を迎える心境でした。
笑顔で目があったとき、心底いとおしく、幸せに育ってほしいとの思いが一層強くなるのでした。
さて、この前テレビで動物や鳥の子育ての様子をみました。
赤ちゃんの時は親は命がけで我が子を守り、餌を与え、少し大きくなると自分で餌をとることを教えています。
やがて時期がくると、さっと身を引いて子どもを独り立ちさせるのです。可愛がることは決して動物に負けませんが、子離れに関しては負けるのではないでしょうか。
3 歳頃からは少しずつ自分でできることを教えさせてみることによって知恵がつき、次第に身のまわりのことは、ほとんど自分でできるようになります。
こうなると自信がつき、また頭の回転もよくなり益々気が利いて頼もしくなります。子どもは片ときも成長が止まることはありません。
夏休み後のお子様は一段と成長されて先生方はいつも感動するのです。
お母様方も少しずつ我が子に対して、過保護、過干渉をやめて距離をおいて見守り、自立できるよう応援してあげて下さい。
それがお子さまに対する大きな愛情ではないでしょうか。
1 日 1 日を大切にいたしましょう。
7月1日 園長 斉藤昌子
幼稚園の役割について問われたとしたら、「 団体生活を通して人としての社会性を身につけること 」
とお答えします。
そのために幼稚園では、様々な企画の中で子供たちが生活しています。
時には子供同士のもめごともあります。
そんな時、保育者はなるべく子供同士での解決を期待してそっと見守る体制が望ましいのです。勿論、年齢差やその時の状態により対応は千差万別であることは当然です。
言葉が遅い人は往々にして手が出てしまいます。
そういう人には、「 これ貸して? 」 って言ってみようね。と教えます。
「 貸して? 」 って言われてもすぐに 「 いいよ 」 なんて言えない時だってあるんです。
さあどうしましょう?
「 後でね 」 とか、「 ジャンケンやろうか 」 ( ここまでくれば高等技術です。)
幼稚園時代に散々もめて育ったという人は、小学校でも困ることはありません。ところが大人の口が沢山あって、
「 ほらほら、貸してあげなさい。」 ( これは意地悪な子になってもらいたくないから )
「 こっちのおもちゃにしなさい。」 ( これはもめごとを起こしたくないから )
等とかばい合っていますと、肝心の時一人で対応ができなくて、ただじっと我慢してしまうか、溜め込んで引きこもりになりがちだったりします。
こんな可哀相な小学生にしたくないので、幼稚園では 「 自分のことは自分で出来る 」、 「 Yes, No をはっきり言いましょう 」 を徹底させたいと思っているのです。案外、口下手のお子さんが多いですよ。
今からでも間に合います。自分の考えを自分で言うように教えてあげましょう。
一つでも出来た時は、しっかり褒めてあげ、ご褒美の品を添えて下さい。
6月1日 園長 斉藤昌子
一学期で最も力の入る行事は何と言っても遠足です。
新入園児さんが、どれだけ団体生活に馴染んでくれたかにかかっていました。
在園児さんにとっては何でもないことなのですが、列を作って歩くことが、こんなにも大変なのです。
毎日練習しましたね。
その結果、当日のうめ組さんはしっかり歩いてくれました。
無事に園に着き、当たり前のようにお母様のもとへお返しし終わった時、それぞれの担任の先生たちは感激の一瞬を迎えます。そしてすぐに反省会を開きまして、早速におたよりを差し上げたしだいです。
今年は、何年来の念願であった最良のお弁当の場所を確保することが出来たので尚のこと嬉しかったのです。ご存じのように神代植物公園の大芝生は広くて広くて。
そこを横切る時は、園児さんは目を丸くして、真っ直ぐ歩くのが大変です。
そんな中で、トイレに近くて背後にツツジのかべがある特等地が空いていました。
雨で延期になった各幼稚園、保育園でいっぱいの中、私たち保育者は大満足だったのであります。
折から薔薇園のコンクールがあったりして、大層の賑わいの間を行列していますと、
「 まあ可愛い!いくつ?」
「 サンサイ。」
と指で示したり、
「 どこから来たの?」
「 ・・・?」 ( これは難しすぎる質問です )
「 ワカンナイ・・・。」
「 あら、わかんないだって! かっわいい!」
「 あら、だんだん大きくなるのね。年長さん?」
等々。様々のお声がかかりました。
お馴染みの小田急大型バスにもお世話になりました。
気象のためとはいえ、何度も変更があったりしましたので、ひとまず終了を喜びたいと思います。運悪く体調をくずされた 6 名の方は、どうぞ秋の遠足を待ちましょう。
父の日を前に 園主 原 篤子
6 月には祝日はありませんが季節の記念日はたくさんあります。
1 日 - 衣替え
4 日 - むし歯デー
10日 - 時の記念日
11日 - 入梅
15日 - 父の日
22日 - 夏至
中でも父の日は子どもにとっては、母の日と同様に関心のあるうれしい日なのです。
園児のみなさんに聞きますと、異口同音に 「 パパ大好き 」 という答えが返ってきます。
理由は 「 やさしい 」「 おこらない 」「 何でも買ってくれる 」 です。
子育てにも係わる心のやさしいお父様、うれしい事ですね。
ここでやさしいお父様にお願いがあります。
時々は子どもを叱ってでも、社会ルールを教えて頂きたいのです。
現代は一人では生きていけません。
必ず人と交わります。
道を歩く時はふざけない
電車、車などで大声をださない
レストランなどで走らない
スーパーなどの品物に触らない などなど。
他人に迷惑をかけた時には、悪いことと叱って下さい。お父様方の我が子を叱らない理由はただひとつ、
我が子に 「 きらわれたくない 」
ではないでしょうか。
そんな心配はご無用です。子どもは大きくなるほど心の中に父親の存在を頼りにし尊敬しているのです。青少年の頃は口には出しませんが、思っているのは間違いありません。
子どもが成人した時、これだけは厳しかったなぁ、あの時のやさしさは忘れないわ、よく本を読んでいた姿、母を大切にしていたこと、などは子どもの一番の規範になるでしょう。立派な社会人になるために、父から学んだことは生涯忘れることはないでしょう。
5月1日 園長 斉藤昌子
園だよりがお手元に届くのは、5 月はじめですから、この文を書いている今 ( 4 月 20 日頃 ) とは少し変わっているかもしれませんが、新入園児さん達もすっかり落ちついてきました。
もう誰も泣いている人なんかいません。
今年もまたお母様方には、私達も心を鬼にして、
「 なるべく早く帰って下さい。」
とお願いしたのは、一日も早くお子様方が幼稚園に慣れるための方法だったのです。
何もかも初めて、お母様から離れて一人になったお子さまたち。どれだけ不安だったことでしょう。
そんな中でお子さまたちは、一生懸命がんばりました。
時々思い出したように泣きだしたりもしますが、子供って一時間中泣いているわけではないのです。
お母様の姿が見えるあいだは、子供の依頼心はなくなりません。
姿が見えなくなって、はじめて子供なりの覚悟ができるのです。
そうすると、まわりが見えてきます。
面白そうだな、とおもうことも出て来ます。
そのうちに知らずしらずの間に幼稚園になれてきます。
お母様がたの心配も一入だったこととお察ししています。そしてお母様の代役を懸命に演じて汗だくになった先生がたのご苦労も、お察し下さい。
幼稚園全体で取り組んだ、大切な初めの一ヶ月が終わろうとしている今、今年度は、その成果があまりにも早いので嬉しく思ったり、びっくりしたりしています。ご協力を感謝しつつ、さて今年の保育目標本番に向けて、
「 出発!進行! 」
母の日を迎えて 園主 原 篤子
鯉のぼりが空に舞い若葉のひかる 5 月、すべての植物がみずみずしく又たくましく成長する 5 月。
子どもだって同じです。目にするもの聞くものすべてが血となり肉となってぐんぐん成長してまいります。
お母さんの言葉や動作のすべてが幼児のお手本であり、一生を通して、あたたかい思い出になるのです。私の母は物静かな人で決して大声を出したり、がみがみと叱ったりしませんでした。私も子ども時代は男の子といっしょに走りまわったり高い所から飛びおりたりして夕方暗くなるまで遊んでいましたので、叱られたこともあったのでしょうが、今考えても叱られた思い出が一切ないのです。
日曜日には決まって母に爪を切ってもらい、母のひざを枕にして耳垢を取ってもらっていました。
右の耳から取れた小さな耳垢を私の手にのせて、左はどうだろうねなどと会話しながらの、ひとときは今でもなつかしく母の膝のぬくもりさえも思いだすのです。
夕食のあとの果物を食べる時も楽しみの一つでした。
りんごや梨などを一個ずつ皮をむいてくれるのですが、今頃のように切ってむくのではなく、丸のままを、くるくると回しながら皮をむくので、むいた林檎のかわが長くつながっていて、面白がって見ていました。剥いてもらった果物をまるかじりしながら、その日の出来事を話したものでした。
林檎も梨も今のようにやたらと大きくはなく丸ごとたべられたのです。
又母はお鍋などをぴかぴかに磨いていましたので、結婚して遠く離れても、魚屋さんなどが桶を磨いているのを見ると母を思い出したものです。良いにつけ悪いにつけ母のことは子どもの心にしみこんでいくことを思い、私はもうまにあいませんが皆様はどうぞ心して下さい。
4月1日 園長 斉藤昌子
ご進級、ご入園おめでとうございます。新しい年度の始まりです。
ご縁あって牟礼幼稚園をお選びいただきまして、誠にありがとうございました。
園児さんたちがこれから出会ういろんな経験や生活を思うと、なんだか胸がわくわくしてきますね。この一年間を園長はじめ職員一丸となって質の高い保育を目指して頑張りますのでどうぞご安心下さい。
幼稚園の保育目標のひとつは、「 自立 」 です。
今、日本中で 「 過保護、過保護 」 と叫ばれていますが、
「 ではどうすればいいの? 」
それは、お母様がたの多弁症を治すことと言われています。
「 そらそら、危ないよ。」
「 今度、幼稚園でこんなことをやるらしいよ。」
と先回りをしたり、さては、
「 ○○ちゃんはいじめるらしいから遊んじゃだめよ。」
に至っては言語道断というものですね。
もうちょっとのんびりしましょうよ。
勿論、赤ちゃんの時から継続して子育てをしていらっしゃるのですから、急には変われないかもしれませんね。
お子さんたちが自分で体験したことは、確実に身につきますことを思うと、是非とも自分でやることを多くして下さい。
幼稚園の朝集会で時々ハンカチ遊びをしますが、ポケットに入っていない時など、
「 ママが入れといてくれなかったから...」
と言う人が必ずいるんです。そんな時、
「 『ママ、ハンカチ下さい。』 って自分で言ってみましょうね。」 と指導します。
そして次の日、担任の先生はそっとポケットを見てハンカチを確認してから、
「 あら、偉かったのね。ママにちゃぁんと言えたのね。」
というケアを忘れません。
そんな地道な仕事がすでに始まっています。
ごあいさつ 園主 原 篤子
新入園の皆さま、はじめまして。
今日は期待と不安でさぞ緊張されたことと存じます。
しかし、ご安心下さい。
幼稚園は、お子さまがいつも良い子でいなければならない所ではないのです。
泣いても、おもらししても当たり前、園の先生は、すべて笑顔でしっかりと受けとめてくれます。
私たちは、お子さま方がお家にいる時と同じように安心して、のびのびと遊べるようにと心をくだいています。
しかし幼稚園は保育園と違って学校教育法による教育機関です。ただお守りをしているだけではないのです。
楽しく砂場などであそびながら、将来生きていくために必要なこと、人に対する言葉づかいや態度などを、その場その場でやさしく教えてまいります。
幼稚園の先生は若いですが、しっかりと幼児教育を専攻して勉強し、子ども大好きな、やさしい人ばかりです。
安心して毎朝笑顔で送り出してください。
お子さまを勇気づけるのは、お母様の笑顔が第一です。
くれぐれも心配そうなお顔を見せないようお願いいたします。
進級された皆さま、こんにちは。
新入の小さいお友達を迎え、先生も変わって、大きくなった実感がありうれしいことですね。
自分のことは自分でやれるよう、ママに言われないうちにやってみましょう。パパ、ママを驚かせてあげましょう。
一番はじめは朝起きたら、パパ、ママ、おはようございます。
次は幼稚園に遅れないようにして下さい。