3月1日 園長 齊藤昌子
幼児教育の究極の目標は、勿論園児達が、自立できるよう補助することです。
例えば、親が服を着なさいと声をかけて、1 人で全部着ることができても、これは自立とは申せません。
指示に従っただけで、頭は使っていませんから。
自立とは、或る場面に対して自分で考えて、その場に適した行動ができることを言います。
子ども達は、幼稚園で大勢の動きの中で、いろいろな場面を目にします。
そして、どう対応すべきかを、自然に覚えてまいります。
これが大事なことであって、家庭では出来ない教育だと思います。
友だちと楽しく遊びながら、押したり押されたり、笑ったり、時には泣くこともあるでしょう。
一日一日、子ども達は成長し、知能が発達してまいります。
文字を覚えるのは一夜漬けでもできますが、対応の適切さは理屈では身につきません。
少しずつ少しずつ、人格が形成されてまいります。
さて 3 月、卒園の月となりますので、年長さん連は、その目標を或る程度達成いたしました。
例えば、牛乳をこぼした時なども、3 才児は黙って見ていますが、4 才児は「先生、こぼした・・・」と叫びます。
そして、5 才児ならば、自分で雑巾を持ってきて拭くことができるのです。
まもなく小学校へと巣立っていく年長児を見ながら、ほんとうに幸多かれと祈らずにはいられません。
晴れやかな卒園の日を、迎えるにあたり、ちょっぴり感傷的になっています。
2月1日 園長 齊藤昌子
最近のテレビ番組には、クイズ形式のものが沢山ありますが、家族と面白くみています。
案外知らないものがあって(忘れたのではなくて、入っていなかった)常織の範囲なのに・・・と、恥ずかしい思いがします。
以前の園だよりにも、園主先生が教えてくださいましたが、少し思い出してみましょう。
☆ 壁に耳あり障子に目あり
誰も居ないようでも、どこかで聞かれたり見られている
☆ 撃といえば槌
のみ だけ持ってきても役にたたない
☆ 嘘つきは泥棒のはじまり
うそをついては、いけない
☆ 塵もつもれば山となる
1 円といえども無駄にしない
☆ 七たび探してひとを疑え
物が見つからない時すぐ人を疑ってはならない
☆ 笑う門には福がくる
いつも笑顔で
☆ 泣きっ面に蜂が刺す
メソメソしていると蜂さえも寄ってくる
☆ 人の振りみてわが身を正せ
人の良くないことを見たら反面教師に
☆ 人を呪えば穴二つ
人を失脚させようと穴を掘っても、それは自分も穴に落ちることと同じ
昔はわが子の躾に、よく格言を引き合いに出して、人としての常識を教えていました。園主先生が子どもの頃にきいた格言の一部です。
すぐに役立つものばかりですから、大いに活用してください。
1月10日 園長 齊藤昌子
新しい年を迎え、まことにおめでとうございます。
今年も、園児さんの成長のために、職員一同、沢山の目標を掲げて進みたいと願っておりますので、よろしくお願いいたします。
3 学期は、勿論一年の締めくくりですので、やり残したことはないか念を入れて点検しながらの毎日となります。
行事の多かった 2 学期に比べて、少しゆとりを持って、保育にあたりたいと思っています。当園の特徴でもありますが、先生方は、クラスを越えて全園児
1 人ひとりの性格もしっかり把握しています。
それは、先生方が、毎朝開門前に行う、5 分前集会を通じて、互いに今日の保育目標を確かめ合っているからです。
園児さんの中には、生れて初めて他人との触れ合いに、大いに戸惑ってしまったり、また反対に、すっかり「甘えんぼ」になっている人もいます。
お母様や、幼稚園の先生の優しさが大好きで、つい先生に抱っこしてもらいたくて、わざと目につく行動をしてしまうのです。
先生方は、時には知らん顔をして、遠くから見守るのですが、こんな時に 5 分前集会で「今日は○○ちゃんを、抱っこしない日ですので、よろしく」と、全職員の協力を呼びかけます。
みんなで気持ちを合わせないと、せっかくの保育も台無しですからね。
そういう地道な連絡が功を奏して、○○ちゃんは、立派に自立の道を歩んでおります。
12月1日 園長 齊藤昌子
牟礼幼稚園では、毎朝9時30分になると、園主先生のピアノのリズムに合わせて、手あそびが始まります。
そして、クラシック音楽を静かに聴いて、心をゆったりと落ち着かせた後、「おはようございます」の挨拶や、その日にお誕生日を迎えた人のお祝いなど、朝の集会に入っていきます。
人として生きていくために必要な心構えが、身につくように。
良いこと悪いことの区別や、他人に迷惑をかけないこと等、毎日一つずつ学びます。
一日のうちでほ、ほんのわずかな 15 分から 20 分の時間ですが、私たちはこの時間を、最高に大切にしています。
その効果の程は、やがて幼稚園を卒園して、一年生になった時に発揮します。
遅刻をしないで学校に行くこと。
授業中に先生の話を静かに聞いて理解できること。
すでにうめ組さんも習慣が身について、静かに聴くことができてきました。
こんな、当たり前のことが、苦もなく出来るのですが、最近、授業中にじっとしていられないお子さんがいるらしい。等ときくと、ちょっと不思議な気がします。
学校では、幼稚園と違い、勉強が主体です。
勉強とは「強いて勉める」とも書きます。多少は辛いこともあるわけです。
持久力、集中力が必要なことは、いうまでもありません。
今日、ここで申し上げたいのは、どうぞこの朝の時間を「無駄にしないで」ということです。
9 時 30 分に間に合うように、家を出てください。
実は、最近、ちょこちょこと、遅刻が目立ちます。
ほんの数分といえども、お子さんたちは、みんながシーンとしているところへ入っていくのは、抵抗があるのです。
ご家庭の協力無しには、何事も得られないと思います。
11月1日 園長 齊藤昌子
1 うそをついては なりませぬ
2 弱いものを いじめては なりませぬ
3 親のいうことは きかねば なりませぬ
上記の言葉は、当園の保育室に、額縁入りで掲げてあるものです。
いささか古語めいていますが、園児たちは、毎日のように、唱えています。
「なぜ 親の言うことは きかねばならないの?」
と、尋ねた子どもがいました。
「なぜなら、親という人たちは、この世の中で、一番たくさん、あなた方子どもを可愛がって、育ててくれる人たちです。だから、間違ったことを言う筈がないからです。」
と答えました。
「うん。」とすぐに納得(?)したようでした。
牟礼幼稚園の「親」の皆さん!
どうぞ、白信をもって、色々なことを言い切ってください。
「もう、テレビはおしまい。」
「早く、寝ましょう。」
「ご飯、もう食べないなら、しまいます。」・・・etc
子育ては、子どもにとって、口当たりのよい言葉だけでは、成り立ちません。
牟礼幼稚園の子ども達は、すっかり理解していますので、大丈夫です。
但し、ひとつ大事なことがあります。
親のお二人の言葉は、必ず一致していること。です。
「我がまま」と「素直」をはき違えないように、お願いします。
10月9日 園長 齊藤昌子
「暑さ寒さも彼岸まで」とは、よく言ったもので、ほんとうにお彼岸の日を境に、すっかり秋めいてまいりました。
幼稚園でも、4 月当初に比べて、園児達は、見違えるほど逞しくなり、ぐんぐん成長の跡がみられます。
今の時期、体育参観日に向けて、各クラス共、おゆうぎ、玉入れ等盛んに練習していますが、特筆すべきは、3才児の愛らしい姿です。
手に手にピンクのお花をつけて、輪になって踊っていますが、踊り終わった後の、両手をあげてポーズを決めるところや、始まる前にチョコンとしゃがんで、音楽の始まりを待っているところとか。
なんとも愛らしいのです。
元々、立っているだけでも可愛い姿が、動いては可愛い・・・静止しては可愛い・・・となり、思わず、大拍手となります。
担任の先生の言うことが、よく聞き分けられるようになりました。
4月から、たった数カ月ですのにね。
今更のように、幼稚園の充実感をかみしめています。
そうなると又、私達保育者は、新たな保育に対する意欲が増してくるのです。
走り方の得意なお子さん、ゆっくりと落ち着いて細かい仕事の好きな人、リズムや歌の上手な人達など、園児さんたちの個性は、10人10色です。
これらの個性を伸ばすために、あらゆる教育環境を用意して臨みたいと思っています。今年度から年長さんに新しく取り入れた音楽教材も、徐々に成果をあげています。
一年生になるまでに、1人ひとりが自立して、個性豊かな人材となられるよう、先生方と共に、毎日の保育活動を工夫して展開してまいります。
二学期について 園主 原 篤子
長いお休み中、皆さまお変わりありませんでしたか。
今日から二学期。お休み中とは、生活様式が少し変わると思います。
お休み中は、自由に時間を使って、のんびりと過ごすことができましたが、園生活がはじまりますと、ある程度時間に拘束されますので、しばらく疲れが出ると思われます。
幼児は疲れたと言えませんが、なんとなく機嫌が悪かったり、食欲がなくなったりと、変化が見えましたら疲れた証拠ですから、少し静養の意味で、一日でも二日でも、園をお休みになるのがよいと思います。
二学期は、行事も多くありますので、体を養っておくのが一番大切です。
さて、二学期の目標は協調と自立をめざします。
年少、年中、長によって、目標の質は同じですが、方法はちがいます。
たのしいあそびをしながら、集団のルールを身につけてまいります。
但し、お母さまが先回りをして、お子さまに教えるのは、決してプラスにはならないことをお考えください。
困らないようにとの親心はわかりますが、子供は、新しいことを習うことによって、少々困っても、お友達を見ながら、自分でも考えて努力をしますので、頭の回転もよくなります。
7月1日 園長 齊藤昌子
幼児は繰りかえしが大好きです。
その特性をフルに活かして、私たちは、毎日保育活動をしているわけですが、「お話」などが良い例です。
大人にとっては、決まり切った昔話が、おおいに受けるのは、幼児がそのお話を知っているからなのです。
「あの場面の次には もうすぐ鬼がでてくるよ」などと思ってくれたら最高に盛り上がること請け合いです。
もう、あちこちから、くすくす、ケチャケチャと、笑い声が聞こえてくるようです。
スイミングや、体操なども同じことが言えます。
毎週、繰りかえしているうちに、「あっ できた。」といって本人が一番びっくりしたり、喜んだりしています。
勿論、そばにいる私達保育者の、至福の時でもあります。
保育終了後に、担任の先生たちが、その日の報告にみえますが、
「○○ちゃんのスキップが、カッコよくなったんです。」
「△△ちゃんが、牛乳全部飲めました。」
などと、心から喜んでいる姿に思わず感動しています。
一日中、生活を共にしていますので、子ども達のちょっとした変化にもよく気がついています。おそらくお母さんの次に、気がついている筈です。
4月以来の緊張感も溶けて、いまや幼稚園は、どこもかしこもはじけています。
急に、暑くもなりました。
健康管理に留意して、この夏を乗りきりましょう。
6 月といえば 園主 原 篤子
6月と言えば「父の日」と「時の記念日」があります。
父の日は勿論「お父さんありがとう」と感謝する日です。
お父さんのイメージが変わったのは、いつ頃のことだったでしょうか。
昔の父親と言えば、少し、こわい堅い感じのお父さんでした。
今は、あくまでも、やさしいパパのようです。子ども達は、幸せですね。
でも、いくらやさしくても決して、友だちではありません。
大切なお父さんです。子どもに、しっかりと社会規範を教えるのはやはりお父さんの役割ではないでしょうか。
朝の「おはよう」の挨拶や「ありがとう」「ごめんなさい」そして箸の持ち方、信号の渡り方 etc...。それらを支えて、
「お母さんの言うとおりだよ。守らなきゃいかんよ」
と言い切ってください。
お父さん、お母さんの一致こそが大切です。
3才頃は、お互いに自分のことしか考えませんが、5才児になりますと相手の友だちのことを考えて、物を言うようになります。
時の流れと共に成長してまいります。一日一日が大切です。
時間は二度とかえってきません。
自分1人の時間ではなく、他の人の時間も大切に考えたいものですね。
約束の時間に遅れたりすれば、それだけ相手の時間をむだに過ごさせたことになるのです。
この夏は節電で、エアコンは控えめにして「うちわ」を、おおいに利用しようではありませんか。
5月2日 園長 齊藤昌子
幼児教育にあたり、私達は、何かにつけても 「日ごろの積み重ねが一番」と言い続けてきましたが、あの大地震の日ほど、そのことを実感したことはありません。
全員の無事を確認した時 「毎月一回、避難訓練をしていてよかった!」と、涙がでました。皆が慌てず、騒がず、担任の先生の言うことをきいていたからです。担任の先生は、いつも首から笛をぶら下げており、緊急時には
鋭く笛を吹きます。園児はすぐに先生のもとへ集まり、指示に従い、戸外に出ます。 月によって、「今日は火事の日・・・」または 「地震の日・・・」として、それぞれのマニュアルで
練習をしてきました。幼い園児たちは、あの時も「いつもの練習・・・」 と思ったらしいのです。非常時の「すべりだい」も使って、一人残らず、落ち着きはらって園庭に勢ぞろいした時に、初めて
「これって本物の地震だよ・・・」等と、つぶやいている人がいました。まさか、こんなにも大きな災害になるとはわかりませんでしたが、 被災地の方々には、心よりお見舞い申し上げます。まだまだ予断を許さない状況ですが、今年もあらためて
「一層の努力と積み重ねをしなければ・・・」と決心しております。
4月7日 園主 原 篤子
ご入園おめでとうございます。
生まれて初めての集団生活は、お子さまにとって大変な負担なのです。
小さくても、子ども達は好奇心いっぱいで、キラキラと目を輝かせてまわりを見ています。
すぐ、みんなの輪の中にとけこむお子さんもいれば、なかなか慎重で入ってこないお子さんもあります。これが、当たり前の姿なのです。
どうして、早く仲間に入らないのかと、あせる必要はさらさらありません。
自然体がよいのです。
あせらないで、のんびりかまえていて下さい。
タイミングを見計らって、うまく先生が誘導します。
あくまでも、のんびりかまえていることが、負担が少なく、早く幼稚園になれる近道とお思いください。
しばらくすると「楽しい」との声が聞こえるでしょう。
ご進級おめでとうございます。
在園児の皆さんは、みんな一つ大きくなって、上のクラスになります。
大きくなったことに、みんな自信をもっている筈です。
大きくなったから、何でもできると思っている筈です。
このタイミングをのがさず、
「あれも出来るようになったね。」
「よくわかるようになったね。」と、認めてあげることが、自信につながります。
本人に直接言うよりも、ご主人との会話の中で「○○もできるんですよ。」、「聞き分けがよくなりました。」などと会話をして下さると、お子さんは、両親に認められたことのうれしさに、よい子になろうと強く思うでしょう。
そして、みんなで、明るく楽しく園生活を楽しみましょう。