2012年度 園だより



3月1日 園主 原 篤子

 しめくくりの 3 月を迎え、この一年の成果を、ご報告いたします。

 1.静かに、人の話を聞けるようになりました。
 2.心やさしい子どもになりました。
 3.歌が上手になりました。

 以上のことは、日頃から担任が心をこめて、やさしく保育をした結果でございます。
 私語をせず、相手の話を聞くことは、一番大事な基本であり、集中力がなくては、できないことです。
 又、担任が、いつも子どもたちの欠点ばかり指摘していると、子どもたちは、友だちの悪い所ばかり見るようになります。
 反対に、良い点をみてほめるようにすれば、優しい心が育ちます。

 牟礼幼稚園での、毎日の「朝の集会」は、最も大切な時間で、大勢の中にあって、自然に教育されてまいります。
 「集会」の時に子ども達は、自然に正座をしていますが、強制したわけではありませんが、姿勢をよくするためには、正座が一番、楽なのです。
 体操座りは背中がまるくなって、長続きはできません。

 良いしつけは、小さい時からが、一番効果があります。
 まだ小さいから、何をしてもよいのではなく、小さくても分からなくても正しい道を教えていけば、楽に良い子どもになります。
 他の人から、かわいいと思われるのは、小さい時のしつけの有無によります。
 みなさん、りっぱな人になってほしいですね。


2月1日 園主 原 篤子

 2 月と聞くと、寒さと同時に、凛とした気持ちになり、緊張感があります。気が引きしまります。
 一年で、最も寒さがきびしいせいでしょうか。
 今年は、お天気にめぐまれ、おだやかなお正月でしたね。
 さざん花も咲き始め、みどり一色の中に、まっ赤な花が次々と顔を出し、「あヽ、もうすぐ春だ」と、ほっといたします。
 木々は、季節をたがえずに、私達に教えてくれます。
 自然界はすばらしいですね。
 お子さん達も、立派に成長して、日々顔をみるのが、たのしみです。

 友だちとのつき合い方、親切な心、自分のことは自分で、など、よく身についてまいりました。
 友だちが、ハンカチを忘れた時など、自分のハンカチを出してあげている姿も度々見ました。
 クレヨンなど、落ちたら拾ってあげる、すぐ「ありがとう」が言えるうめ組さんも、自分であけたドアは、自分でしめることも出来ます。

 三学期のしめくくりとして、やり残したことはないか、見過ごしたことはないか等、毎日を、いっそうの気配りで取り組んでいます。



1月8日 園主 原 篤子

 みな様には、ご機嫌よく新しい年を、お迎えのこととお喜び申し上げます。年の始めではありますが、幼稚園の保育に関しましては最後の三学期を迎えます。

 人の話をよく聞くことは、知能の発達の第一歩と言われています。
 当幼稚園のみなさんは、静かに話を聞くことが、とても上手になりました。
 週一回、朝のお集まりの時に、昔話などをしていますが、みんな声一つ立てず、真剣に聞いてくれます。
 絵も何もない素話ですが、年長さんなどは、身を乗り出すように熱心に聞いています。年少さん達は、それを見習って静かに聞いています。
 話す方も、うれしくなって熱が入ります。

 次に、発言力が大切です。
 これは、頭の中で言いたいことを整理する必要があり、自然に考える力がついてまいります。日頃、お母さま方も、子どもが考えて答えるような話し方をしてみてください。
 「お水を飲む? 飲まない?」という聞き方ではなく、子ども自身が、「お水を飲みたい」と言えるように・・・・。
 「公園に遊びに行く? 行かない?」では、うなずくだけで、会話にはなりませんですからね。
 少しずつ、自立への方向づけをいたしましょう。


12月1日 園主 原 篤子

 今年も最終の月になりました。
 重点目標の「ありがとう」という感謝のことばを、園児達は100%言えるようになりました。親切にして貰った時、何かを貰った時等、はっきり「ありがとうございました」と言います。
 たとえ紙一枚でも...。
 年中児の中には、黙って受け取るお子さんもありますが、一声かけると「あっ、そうだ」という感じで「ありがとう」と言います。

 ご家庭でも言っていると思いますが、忘れている時は催促していただきたいと思います。
 子どもは素直です。「ありがとう」といっている時、私たちはまじめに受け取ります。そうすると、子どもは「いい言葉を使った」と満足します。
 もしご家庭で、兄、姉など誰かが一回でも、笑ったり、からかったりすると、幼児は「ありがとう」は、笑われることだと認識して、以後使わなくなってしまいます。
 堂々と言えなくなり、又、もじもじしたり照れたりするのは、笑われることばと思っているからです。

 正しいこと、良いことは、小さいうちが、指導のポイントです。
 小学生になってからでは遅いのです。
 何も分からないうちに、良い言葉、正しい行いを、身につけておくことは、子どもの一生を左右します。


11月1日 園主 原 篤子

 我が家には、一匹の「ひきがえる」が、住みついているようです。
 毎年、夏になると、夜、どこからか出てきて、庭の中などにじっと座っているのです。
 手のひらを並べた位の大きさで、ほとんど動きません。
 我が家に、石垣などはなく、梅の古木など数本あるだけで、雑草などは茂っていても、冬の間は、どこにいたのだろうと、不思議です。

 同じ「ひきがえる」なのか、二代目なのかは分かりませんが、すごい生命力だと思っています。
 夜が明けると、居なくなります。
 お世辞にもかわいいとは、言えませんが、毎年見ていると、何となく親しみを感じてしまうのは不思議です。
 
 可愛いと言えば、赤ちゃんですね。
 赤ちゃんにじっと見つめられると、こちらも無心になって、うれしくなります。
 園児が、赤ちゃん並みに、みなさんに可愛いと思って貰うためには育て方が物を言いますが、中でも大切なのは、挨拶だと思います。
 ただ一言「こんにちは」と言うだけで、誰でもうれしくなって「何て、可愛い子だな」と思います。

 返事が出来れば最高です。
 お母様方の言葉は、いつも子どもの規範になります。
 良いお手本を、示してあげてください。


10月2日 園主 原 篤子 

 あさがおの花も終わり、これからは菊の花の季節にかわることでしょう。
 花はいいですね。花を見て、腹を立てる人は、いないでしょう。
 みんな笑顔になります。
 良い花を咲かせには、苗の時からの育成が大事だそうです。
 人の子も同じですね。

 立派な人になってほしい、の願いは皆同じ。
 それには、おおらかな心で子育てをしなければ、思いやりのある立派な人には、ならないようです。
 幼児には、時間の概念がありません。
 不器用さも手伝って、何をやるのも、のろのろとしています。
 親に、時間のゆとりが無いと、つい、いらいらして、口を出したり、手伝ったり、ということになります。

 こうした子どもは、落ち着きのない子になってしまいます。
 子どもに接する時、たっぷり時間があれば、子どもが靴をはくのに、たとえ 30 分かかっても、のんびり待つことができます。
 子どもも、最後まで自分でやった、という達成感をあじわい満足します。
 いちいち親の顔を見ない、自信のある人、になってほしいと思います。 


9月3日 園長 齊藤昌子

 今夏は 毎日記録的な暑さの更新がありましたが、みな様、いかがお過ごしでしたか?
 いよいよ二学期が始まりますね。
 幼稚園のカリキュラムの中でも充実した保育環境をつくる大切な時期ですので、先生方も、張り切って園児さん達の登場を待っています。

 お待ちかねの、新しい「鉄棒」が出来上がりました。
 もともと、牟礼幼稚園では、歴代の体操の先生(コスモスポーツクラブ) が「一年生になるまでには「逆上がり」を100%の子どもが出来るようにしたい」との目標を立てて、日々励んできましたので、4 月以来のお待ちかねでした。
 年少さんにも届く高さもある二連構えなので、思う存分取り組んでください。
 鉄棒の種目の呼び名ですが、「ぶら下がり」「ブタの丸焼き」「つばめ」等々。そして「みてみてぇ・・・」と、元気な声。
 園児さん達のワクワクした声が、聞こえてくるようです。

 牟礼幼稚園の先生方は、何事も「決して急がず、焦らず、ゆっくりと」をモットーにしていますので、年少さんのうちから、少しずつ「ぶら下がり」や「ブタの丸焼」に慣れてもらいます。
 そして、時には「みてみてぇ」の呼び掛けに対して「○○ちゃん よくできました!でも それだけ・・?」と、なることがあります。
 次の日からの、○○ちゃんの張り切り様は、言うまでもありません。
 かくして、先生方は毎日のように、園児さん達の「みてみてぇ・・・」に答えているのです。


7月2日 園主 原 篤子

 間もなく一学期が終わります。
 園児のみなさんも、一段と知恵がつき、その場その場にあった動きも出来るようになりました。
 特に、年長さんは、頭の回転も速くなり、物覚えもよく、頼もしくなりました。
 幼稚園時代は、字を教えたり、ものを教える必要はなく、それより大切なことはいわゆる「江戸しぐさ」を身に付けることだと思います。
 「江戸しぐさ」とは、よく新聞にも出るように、人とのつき合い方のことで、相手のことを考えて行動することを言います。
 
 人とぶつかたら「ごめんなさい」、乗り物などで、親切に席を譲って貰ったら「ありがとう」。
 これだけで、世の中は、おだやかになるでしょう。
 又、自主性を育てるために、お母さまは我が子に、あまり指示をなさらないことが大切です。
 
 子どもが「何をしようか」「なんと返事をしようか」と考えている間に次々と指図されると、子どもが頭を使わなくなります。
 言われた通り動くだけですみますから。
 頭は、使わないと退化すると言われます。
 ゆっくり、考える時間を与えて、自力で次に何をすべきかを考えさせることが大切です。

 園にも、いちいち先生の顔を見て、指示が出ないと動けないお子さんがいます。
 先月号の「園だより」にも書きましたように、子育ての秘訣は「ラングサム」(ゆっくり、徐々に)ですよ。


6月1日 園長 齊藤昌子

 最近牟礼幼稚園の先生方の間で、保育中に「ラングサム、ラングサム」「ゆっくり、ゆっくり」という声かけが聞こえるようになりました。
「ラングサム」とはドイツ語で「ゆっくり」とか「徐々に」という意味です。
ウインナワルツで知られる「ウィーンの森の物語」(ヨハン シュトラウス)の、楽譜の初めにも記されていますね。

 日常、何気なく使っている言葉に、「早く、早く」という言葉が、なんと多いことか・・・。
 日本が、高度成長期に入った時期、確かに合言葉のように、「早く、早く」が蔓延していました。それが今以て、習慣的に言葉にしているなあと、私自身も大きな反省でした。
 早速、牟礼幼稚園の先生方に、「ラングサム」を忘れないでね。と呼びかけ実行しているところです。

「スロー ライフ日本」とも言われているところです。
どうぞご家庭でも、一息入れて「ラングサム」を、おすすめします。


5月1日 園長 齊藤昌子

 5 月になりました。
 「あっという間に」というのが本当でしょうか。
 幼稚園では、毎日新しいことがおこりますので、いちいち感動しながら受け止めていますと、気がついてみると、「あっと言う間に」ということになっているのです。
 今年初めて団体生活を送ることになった、うめ組さんたちは、「さぞかし大変かな」等と思っていましたら、いとも簡単に乗り越えて「あっという間」の仲間入りです。
 「お見事」というべきかもしれません。
 
 幼稚園生活に入って第一の仕事は、『自分以外の人』の存在に気づくことです。
 先生になにかを言いたくても、もう先に誰かが先生に言っていることがあります。
そんな時、さあっと駆けよって、直ぐに先生に訴える人もいますが、ちょっと待ってタイミングを計れる人もいるのです。
 先生はそういうことを見逃しません。
「よく待っていられましたね。」と先ず褒めてあげます。
 本人は認められたことに満足して、落ち着いて次の仕事にかかれるのです。
こういう人が増えてくると、クラスが落ち着いてまとまってくるのは、必定です。

 個性尊重の保育を心がけていますが、同時に社会性を身に付けていく第一歩を忘れないことが大事です。
 うめ組さんのうちに、きっちりと、社会性がついていますと、次のステップになったときには、自由自在に、積み重ねができる筈です。
 すべりだし好調の今年度は、必ず高い目標を持つことができると考えています。
 そして、年長、年中組のみなさんは、お互いにお友だちを意識しながら仲良く遊ぶことが出来るようになっています。


4月6日 園長 齊藤昌子

 平成24年度の幕開けとなりました。
ご入園、ご進級おめでとうございます。
今年も元気印いっぱいの、可愛い園児さんを迎えて、ほんとうに嬉しく思います。
さて、各保育室には、次の標語が掲げてあります。

うそをついては なりませぬ
よわいものを いじめてはなりませぬ
おやのいうことは きかねばなりませぬ

人と人とが、暮らしてゆく上に、必ず守るべき基本のルールです。
折にふれて唱えながら、ゆっくり時間をかけて身につくように指導します。
各クラスの担任も、それぞれ目標を立てています。

「明るく元気なクラスに!」
「どのお子さんも利発な子に!」
「何でもやってみようよ!」etc.

どの目標にも、子どもを思う心が溢れていますね。精一杯の気持ちをこめて燃える思いの一年間にしていきたいと誓っています。
それには、保護者の皆さまのご協力が何よりのサポーターですので、どうぞよろしくお願い申しあげます。