3月1日 園主 原 篤子
3 月を迎えると、やはり、しめくくりの時期として、この一年を振り返ることになりますが、今年も、幼児の身につけてほしいことは一通り指導してきました。
文字が読める知識よりも、何よりも、子供なりの常識を、身につけることが第一だと思います。
知識は一夜で出来ますが、良い習慣は一夜では身につきません。
繰り返し覚える必要があります。
良い習慣とは、
ハイの返事
ありがとうの言葉
履きものを揃える
自分であけたドアは、自分で閉める
あいさつ「こんにちは」
これらのことを覚えたお子さんは、他から見て、「育ちの良い子供さん」と評価されるのです。
以上のことは、ほとんど出来るようになりましたが、ときどき忘れていることがあります。その都度、「何か忘れていない?」と注意して、身につくといいですね。
「育ちのよい子」は、言いかえれば、「かわいい子」ということになります。
2月3日 園主 原 篤子
2 月と言えば、一年で一番、心がひきしまる感じの月ですね。梅の花のせいでしょうか。
「梅一輪 一輪ほどの あたたかさ」という句があるように、きびしい寒さの 2 月です。
我が家では、「梅にうぐいす」ならぬ「梅にひよどり」が毎朝来て、枝を占領しています。
ひよどりは、美しい鳥でもなく、声もきれいというわけではありませんが、毎日見ていると、なんとなく親近感を感じて、うれしいです。
先ず、雀たちを追い散らしてから、自分は枝に止まって、すましています。野鳥に限らず、野生の動物は、その日暮らしで、冷蔵庫も持っていませんし、大変だと思いました。
明日の食料は、その日にならなければ有りません。
たくましいですね。
人間だけに、与えられた能力で、翌日のこと、一ヶ月先のことまで計画を立てられるのは、有り難いと思います。
この能力を、大いに生かして、計画を立てたいとおもいます。
1月8日 園長 齊藤昌子
新しい年の始めを寿ぎ、皆さまのご健康をお祈り申し上げます。今年も、大自然の恵みが穏やかならんことを、願わずにはいられません。
昨年秋には、保護者の方々の温かいご協力のおかげ様で様々な行事をスムーズに重ねることが出来まして誠にありがとうございました。
特に、年長のお母さま方には、紙芝居へのご参加を頂き感謝しております。
日頃見慣れている紙芝居も、日替わりで「お母さんが先生になっている」という状況が、園児さん達の目には、大変新鮮に映った模様で、ご本人はもとより一同、大盛り上がりでした。
「先生方のご苦労が、少しわかりました」
とか、
「初めてなので、声がでなかった...」
「子供さん達に見つめられて、足がふるえた...」etc.
色々のご感想も頂き、恐縮です。そしてまた、
「うちは年少ですけど、いつですか?」
などと声をかけてくださり、心強い限りです。
幼児は、面白くないものには容赦なく、よそを向きます。その代わりに、一旦興味を持つと集中力が倍加して食いついてきます。
そんな習性を、頼りにして、日々工夫を凝らしているのが先生達なのです。
楽しみながら、充実した毎日をおくりたいと願っています。
12月2日 園主 原 篤子
園庭の菊の花が、満開を通り越して、大満艦飾とでも言いましょうか、なんとも賑やかに、綺麗です。
毎年秋になると、絵画指導の教材としても、役に立ってくれる花々です。
春先に小さな枝を、挿し木をして増やしました。
園児たちが歌う「菊の花」の歌詞のように、
「・・・・赤、白、黄色、きれいに咲いた・・・・」という具合になればいいなと思って植えたのですが、今年はなぜか、紅色一色になってしまいました。
黄色は、夏に盛んに咲いていた「黄ばなコスモス」の名残があったので、「あぁ良かった。黄色の絵の具が使えるね」と喜んで描いていました。
秋は、菊の花とおはぎの季節です。子供の頃は「花より団子」でおはぎばかりに目が行きましたが、大きくなるにつれ、菊の花の美しさに目が行くようになりました。
菊の香りが、何ともすがすがしく感じられて、良い気分になりますね。
菊は、大輪は素晴らしく、圧倒されますが、中菊も良いものです。
日本の花として、櫻と共に菊は、我々の心の中にあります。
当園は、ごく小さな幼稚園ですが、そのなかでも季節の木々や花々が季節を演じてくれるのが、本当にありがたいことです。
たった一本ある「櫻の木」も、春爛漫のピンクの花に始まり、夏は青々とした緑色、秋は紅葉に染まって華やいだ様子、そして、やがて葉を落としきって、枝だけになった様子など、と。観察画として、4
回も描いています。
11月1日 園長 齊藤昌子
牟礼幼稚園では、常日ごろ、朝のお集まりでハンカチ遊びをします。
汗をふく時、手をふく時に、ポケットから出して使うことを、具体的に教えます。
実際に、水道をひねって手を洗うまねをしてハンカチで拭いて、ついでにお顔の汗をふいてからたたみます。
「ハンカチの角と角を持って、向こう側にバクッとたたみましょう。その次に、わっかを上にしてもう一度向こう側にパクッとして四角になったら、また、わっかを上にしてパクッとしますよ。小さくなったらポケットにしまいます。」
と言うのが園長の口癖です。
ハンカチを忘れた人は、
「明日は持ってきましょうね。あなた方がお母さんにハンカチください。っていうんですよ。」
「はい。」
とお約束をしています。
「だって、お母さんが、ポケットに入れといてくれなかったから・・・」
等ということにはなりません。
最近は、そういう甘え方が幼稚園では通用しないことが、わかってきた様子がうかがえて、微笑ましく思っています。
大人になって、何かの時、ハンカチをさっと出して、使うという習慣は、紳士、淑女としてのたしなみですから、幼いうちから、ぜひ身につけてもらいたいものです。
特別に暑かった夏を、振り返りながら、また次のシーズンに向けての保育目標を、掲げたいと思っております。
10月2日 園長 齊藤昌子
お彼岸の日を境に、すっかり秋めいてまいりました。
4 月当初に比べて、園児達は、見違えるほど逞しくなりました。
最近は、来年度入園に向けて、牟礼幼稚園の雰囲気を直接見たいと来園される方が増えましたが、先ず初めに、3 才児の「コンニチワァ...」攻撃に出合って驚いてくださいます。日頃、
「幼稚園を訪れていらっしゃる方は、お客様ですから、ご挨拶をしましょう。」
と繰り返し伝えていますので、子どもたちは我勝ちに実行しているまでです。牟礼幼稚園の子ども達は「お客様」が大好きなのです。
覚えたての言葉を使った時、大人の人がにこにこして「こんにちは」と返してくださるのが、何とも嬉しいのです。
園児さんたちの個性は、10 人 10 色です。これらの個性を伸ばすために出来る限りの教育環境を用意して臨みたいと思っています。
「ピアノ」「絵画」は勿論のこと、コスモスポーツクラブの先生をお迎えしての「体操」や、夏冬通して、雨の日も風の日も通うア・クラブの「スイミング」、そして「ヴァイオリン」教育も、幼児の集中力の発達に、大きな成果を上げています。
実りの秋に向かって、先生方の努力と共に、一層の工夫を試みたいと思っております。
9月2日 園長 齊藤昌子
幼稚園で最も力をいれていることは、字を覚えることではなく、又、絵が上手になることでもなく、歌がうまく歌えることでもありません。人間として、日常の挨拶がことばで言えることです。
朝、起きたら、お父さんお母さんに「おはようございます」。
ご飯を食べる前には「いただきます」。
出かけるときには「行ってまいります」。
帰ったら「ただいま帰りました」。
寝る時には「おやすみなさい」。
おじい様、おばあ様から、おみやげを貰ったり、ママに何か手伝ってもらったら「ありがとう」そして、まちがったら「ごめんなさい」。
以上のことが、ことばで言えるように。これが幼稚園生活の眼目なのです。
これらの躾は、ご想像のように一朝一夕では出来ません。
園児さんたちの様子をみながら、気長に、しかも確実に成果を上げられるように工夫し、努力している先生がたには、本当に頭が下がります。
そして又、幼稚園で覚えたことがらに対して、そっと支えて下さっているご家庭の皆々様がいらっしゃることを、忘れてはなりません。
ご協力、ありがとうございます。
長い夏休みには、園児さん達は、普段と違った場面で、覚えたての言葉を使い、体験してみたことでしょう。
毎年、この時期には、決まって子ども達の成長を一段と感じて次のステップに入る準備に取りかかるのです。
7月1日 園主 原 篤子
「大丈夫...?」
まわりの子が、口々に声をかけながら駈けていきました。
見ると一人の子が、派手に転んだところでした。
転んだ子は、顔をしかめながらも、自分で立ち上がりました。
そして「うん」と言いました。
よくある光景です。
母親と一緒なら、甘えて大泣きする場面です。
しかし友だち同士の中で、その子は、弱みを見せたくなかったのでしょう。あえて、頑張ったのだと思います。
幼児と言えども、プライドがあります。
子どもは、がまんをして、頑張って、よい習慣を身につけるのです。
まだ行動はできなくても、判断力はバカにはできませんね。
親の言うことは、聞かなくても、親の顔色や行動を見て、きちんと判定しているのです。
父親と一緒の時は、一般的にお行儀がよいのは、父親は社会規範の手本だからではないでしょうか。
6月3日 園代表 原 篤子
3 月に卒園した、元まつ組さんが、一年生になったので幼稚園に招待しました。
はじめての里帰り気分で、みんなうきうきとよろこんで来てくれました。
先生方も喜んで、一緒にハンカチ落としやかるた取りをして楽しみました。
その姿は、まだあどけなく、夢中になって遊ぶ姿があり、心は以前のまヽと、うれしく眺めたことでした。
しかし、体は、わずか一ヶ月余というのに、たくましく、全体のボリュームは目を見張るほどで、入学適齢期とはこうゆう事と感じ入りました。
この子たちが、30 年後には、日本の中心になって活躍することを思い、元気に帰る後ろ姿に、万感の思いがありました。
今の、キラキラ光る新若葉が、やがて大木となるのに似ているのではないでしょうか。
5月1日 園長 齊藤昌子
入園、進級の月より、一ヶ月経ちました。
それぞれに、園生活を楽しんで通っていますね。
最近の、年長さんと担任の先生との会話です。
「先生は、今までうめ組の先生だったから、いっぱいおはなし (説明) してくれるけど、ぼくたちもう、年長なんだから、何でもできるよ。」
「まつ組だもんね。」...etc.
なんと頼もしいことを、言ってくれるのでしょう。
思わず感激してしまいます。
また他のクラスでは、今まで、あまり言葉を発しなかったお子さんが、いきなり「先生、出来ました!」と言ったのです。
普段から、発言の多いお子さんならば、当たり前で済みますけれど、この時ばかりは嬉しくて、「あら、もう一回言ってみて!」と叫びたくなってしまうほどでしたが、かろうじて我慢したのです。
とのことでした。
職員会議では、このような報告が、とびかって大盛り上がりです。
保育という仕事に携わってよかった・・・と思える瞬間です。
子どもの成長ってすごい。目に見えない速度ですが、確実に伸びているのです。
やはり、私達大人は、「あせらずにじっくり見守る」ことが大切なのではとあらためて感じました。
4月8日 園主 原 篤子
新しいお友だちを迎えて今日から新学期がはじまります。
当園の保育目標は大きくわけて 2 つあります。
幼いながらも社会規範がしっかり身につくように。
自立、自分のことは自分でやろうという気持ちを持たせるように。
以上のことは、ゆっくりとその場その場に適応して助言して遊びのうちにいつの間にか身につくように保育してまいります。
将来しっかりと安心できる一年生になります。
お母さま方におねがい
早くよい子になってほしいと熱心になるあまり、他のお子さんを見てあせらないように。
他人のすぐれた所ばかり見て我が子に要求すると、子どもにとって大変、迷惑なことになります。
又、こんなことをすると幼稚園に行かれないよ、とか、園の先生にしかられるよ、などとおどかさないで下さい。
幼稚園の先生はやさしいですから。
あせらない、劣等感を持たない、ゆったりとしたおおらかな心で園生活を楽しんで頂きたいと思います。