3月1日 園長 齊藤昌子
9 時 30 分、玄関先でいつもするように朝のお迎えをしている時です。年少の男の園児さんがお母様と一緒に「お早うございます」と入ってこられました。私も「お早う」と返したとき、「園長先生、髪切ったの?」と私の頭を見上げながら言いました。
「あっ、そうなのよ。髪切ったの」と一寸戸惑いながら、
「優しいのね。よく気がつきましたね」と答えました。
そしてお母様と顔を見合わせてホッコリしました。
いつの間にそんなに気付く人になっているの?そういえばもうすぐ年中さんですものね。それにしても日常の先生方の努力に思いを馳せ、ご苦労でしたねと思いました。
「お早うございます」の一言は、牟礼幼稚園は 69 年前から指導していまして、先生方は出来ていない人にはその都度、「もしもし、何か忘れていない?」と声をかけ、「ああそうだ、お早うございます」と出来るまで通ることのできない玄関なのです。
今では皆が次々に立派に挨拶をし、一言三言、言葉を交わして通って行くことが当たり前になっていますが、ここまで徹底させるために努力は一仕事だったはずです。
近頃、バスの中、電車の中、ましてエレベーターの中でも、黙って息を殺して乗っていることがある世の中です。幼稚園ってやっぱりいいなあと思い、感謝が湧きました。
そのような平和な朝の一頁でした。
2月1日 園長 齊藤昌子
一年の締めくくりの時が近づいております。毎年この時期には、今年度を振り返り、
「年初めに立てた一人一人への目標は達成されているか?」
「やり残したことはなかったか?」
を点検しています。私たちは私立幼稚園ですから、建学の精神を忘れることはできません。
「賢い子どもに、自立できる子どもに」
と掲げてある看板を目指して、毎日を刻んで来ました。担任の先生方もよく理解をして下さり、一丸となって取り組んでおります。伸び盛りの人には思いっきり伸びてもらいます。ちょっとゆっくりの人もせっせとついて来てもらいます。
今年の年長さんはお手紙を書くことが得意になりました。
文字を書くことが大好きになったと言っています。
読みやすいしっかりした字が書けていますよ。
とはいえ、今はまだ 2 月です。
積み残したことのない様に一層目を掛けて行きたいと思っています。
乾燥の激しい季節柄、皆さまどうぞお身体に気を付けて。
体調管理もお忘れなきようお願い致します。
1月8日 園長 齊藤昌子
新しい年の初めを寿ぎ、牟礼幼稚園の全ての皆々様のお健やかなることをお祈り申し上げます。
穏やかな日の光を浴びて今年こそは、と決意を固められた方も多いかと存じます。私もその一人で、決意を刻むこと 10 秒ほど……。
あとは「成るようにしかならないもの」とさっぱりしてます。
それにしても園児の皆さんの決意は大変具体的でして、
「なわとび 10 回跳ぶ」
「逆上がりができるようになる!」
「ブリッジのまま歩ける」
「漢字で名前が書けるようになる!」
等々と、非常に具体的で並々ならぬ決意に満ちています。
庭に出ると年長さんらしい人たちが、雲梯に多数でぶら下がっています。「こうもり?」「ブタの丸焼き?」色々ですね。
山小屋に目を移せば、これはまた鈴なりになっています。側で見ていらっしゃるお母さまに「みて!みて!」と手を振っています。
こうして毎日ヴァイタリティに刺激を受けながらの園生活は、何よりも有り難いことだと感謝しています。
更に延長保育 (預かり) によって、5 時半まで残っている人達がいますので、お迎えにいらしたお母さまに、
「この疲れ知らずの子どもたちは、バタンキューと寝てくれますか?」
と聞きましたところ、「はい、布団に入って 9 秒でコトンと眠りにつきます」とのことでした。これだけ幼稚園で活躍していたら、正に健康優良児になること間違いなしですね。
新しい年を迎えるにあたって、再度園児さんの健康を願う心を固めました。
12月3日 園長 齊藤昌子
牟礼幼稚園では、毎朝 9 時 30 分になると全園児さんがホールに集まっていて、朝会が始まります。
「皆さん」と園長が呼びかけますと、
「おはようございます」と一斉にご挨拶します。
そして正面のカレンダーを見上げて、
「今日は 12 月 3 日です」「月曜日」「お天気は晴れです」と唱和します。
一学期の時は、園長がカレンダーを指し、「12 月」「3 日」「月曜日」と誘導することが多かったのですが、いつの間にか一人一人が、カレンダーを見ながら言えるようになりました。
「一人で言える人?」という問いにも「はあい」「はい」と多く手が挙がります。先生方による手造りの七曜表のカレンダーには「今日」に当たる日を赤枠で囲ってありますので「3
日」を上にたどっていくと、月曜日に突き当たります。これが又、結構楽しい作業なのです。
こうして毎日「日にち」の確認をすることが習慣になっていますので、やがて数字にも興味が出てくるのです。
それぞれが黒板に書いてある 12 月 3 日(月) に気づいて呼んだり、自然に絵本の文字に関心を持つようになったりしました。
「この字は何ていう字?」と聞かれた時の先生方は、もう大満足です。
「こんなに嬉しいことはありません」との報告があります。
幼稚園生活の間に文字や数字に興味を持って一年生になることが、如何に大切かは言うまでもありません。
毎日コツコツと、無理なくゆっくり確実に歩を進める手立てとして今日も又、園長は「皆さん」と呼びかけています。
11月1日 園長 齊藤昌子
11 月 11 日は牟礼幼稚園の第 68 回目の創立記念日です。
68 年前の牟礼地区は、畑や林がたくさんありましたが、子どもたちにとっては、遊ぶところがなくて所在がない状態でした。
そんな中、私の父は牟礼幼稚園の前身である青年会館に集まって来た小中学生たちと共に井の頭公園までマラソンをしたり、テニスやバレーボールや卓球をしたりと青少年育成に尽くす日々でした。子どもたちに「『あいさつ』『返事のできる』子どもに育てたい」という目標がありました。その後幼稚園としての形をとることになり、三鷹地域の中では
3 番目に誕生となりました。
68 年もの長い間、一筋に幼児教育に専念することができた幸せを噛みしめております。
来年 10 月には、幼児教育の無償化が実施され、より密度の高い幼児教育が期待される中、私たちもより強力に力を尽くさなければ、と思っております。
『初心忘るべからず』初心に省って『あいさつ』『返事のできる子』に育ってほしいと願いつつ、毎日の日々を迎えております。
そして私たち大人たちの「おはようございます」「良いお日和ですね」「ありがとう」が先達であることはいうまでもありません。
10月2日 副園長 石和佳代
暑い夏が過ぎ、秋のさわやかな過ごしやすい季節になりました。
次第に木の葉も色づきはじめ、「実りの秋」「スポーツの秋」「食欲の秋」「読書の秋」「ファッションの秋」など、色々なことにチャレンジする季節です。園児さんたちも、いつの間にか牛乳瓶の蓋が開けられるようになったり、重たい積み木のおもちゃ箱を一人で運んで遊べたり、片付けたりすることも出来るようになりました。
体育参観日では、近隣の小学校の体育館をお借りするので、当日のお天気の心配が御無用で、必ず開催できるため、安心して当日に向けて練習に励むことができますことに、感謝です。
園児さんたちの一所懸命な姿に、たくさん拍手して応援よろしくお願いします。おうちに帰ってから、ゆっくり勝負や順位だけでなく、「こんな動きしていたね」「力を合わせていたね」と体と心の多様な動きにも目を向け、たくさん褒めて下さい。
幼児期の情緒の基盤は、やはり家庭での落ち着いた生活が重い比重を占めます。幼児は何よりも家族で認められる、褒められることが幼稚園生活の活力となりますので、ご家庭でたくさん励ましてほしいのです。
子どもたちのさらなる成長を期待して、これからも、様々な刺激を投げ掛けていきます。
一日一日が「待ったなし」の成長のチャンスです。
9月3日 園長 齊藤昌子
夏休みが終わって、二学期が始まります。
毎年間違いなくお子様たちの顔つきが違ってきます。それは、どのご家庭でも夏らしい体験を計画し、生まれて初めてのことも沢山やって、一歩乗り越えられたのだなあ、と感じています。
そこで、いよいよ幼稚園では、学年末までに達成しておきたい目標を掲げて二学期を迎えます。一例をあげますと、
年長さんなら、
・自己紹介ができる (僕/私は○○○○です)
・リボン結びができる
・雑巾絞りができる
自分から「おはようございます」と挨拶することができる 等
年中さんなら、
・スキップ、ギャロップができる
・立ったまま靴の脱ぎ履きをすることができる
・ピアノの「ド」の位置を覚える 等
年少さんなら、
・名前を呼ばれたら「ハイ」と返事をすることができる
・トイレはノックしてから入る
・「入れて」「貸して」など、遊びに必要な会話をすることができる 等
当園の年長さんは、お弁当の包み袋を 4 月の当初から風呂敷状の四角い布に変えていただいて、「風呂敷包み」に取り組んでいますので得意技となっています。
7月2日 園長 齊藤昌子
お母さま方へ
毎日の子育てご苦労様でございます。
血の通う我が子の成長は、本当に人生の生き甲斐と申しますが楽しいものですね。よく十二歳までは「へその緒が繋がっている」と言われます。
離れていても、お母様が我が子を思うあまり、
「うちの子大丈夫かしら? 心配だわぁ」
と心配していると、子どもさんも親孝行なので、ちゃんとそれに答えて
「大丈夫じゃないよう。お母さあん……」
と涙が出て来たりするんだそうです。
『以心伝心』なんて言葉もありますよね。
登園では 4 月、5 月、6 月と月一回の保育参観日を通してお子様の様子をご覧いただきましたが、その都度保護者の方から、
「うちの子があそこまで出来ると思わなかったので嬉しいです」
とか
「担任の先生方も工夫してどの子にも答えを言う機会を下さっていますね」
というような感想を下さって先生方も何よりの励みになっています。
子どもと一緒で誰でも褒められれば嬉しいので「もっと頑張ろう」という気持ちになりますね。なんといっても家庭的なんです。
私たち保育者も、そんな言葉に、上手に乗って「もっともっと」と園児さんたちのためになることはないか?と工夫を凝らします。
私たちはことり組 (未就園児クラス) から始まって、まつ組 (年長組) まで四年保育の効果を充分活かし、遊びを通して繰り返し繰り返し保育活動を楽しんでいます。
いよいよ一学期の後半に差し掛かります。
入園したてのうめ組さんも、颯爽と自立に向かって頑張って胸を張っています。ご協力ありがとうございます。
6月1日 副園長 石和佳代
恒例の春の遠足は神代植物園です。噴水のまわりに色も香りも様々な 400 本のばらが美しく咲いていて、香りが、ほのかに風に漂って、ゆっくり眺めながら楽しく散歩しました。
年少組さんにとっては、初めての遠足ですので、年長のお兄さん、お姉さんと仲良く手を繋いで散歩できるように何度も練習をしてきました。週一回のペースで園外を歩きました。
一方、年長組さんは 3 回目になりますから、よくわかっていますので、しっかりエスコートしてくれ、きれいな花を一緒に見ながら、目的地の大芝生をめざします。
緑が目映い大広場では、水分補給やトイレ休憩の後、クラス写真を撮り、お昼ご飯のお弁当をゆっくり楽しんだ後は、思いっきり大広場で駆けまわって遊びます。
その際のお約束は、一般のお客さんや他の団体のお子様もいるので、
「先生が見えない所には行かない」
「目印である牟礼幼稚園の帽子を脱がない」
です。
広い野原の自然の中で全力疾走している園児さんのパワーはいつもの倍にも三倍にも見えます。
こうして異年齢との関わり方を学び、年長組さんの優しさを知る良い機会となった遠足でした。
6 月は衣替えですね。体調管理や手洗い、うがい等、充分お気を付け下さい。
5月1日 副園長 石和佳代
入園、進級から三週間が過ぎました。
新入園児さんの中で、「ママがいいッ!」と泣いていた人も毎日お母さんと離れる練習を積み重ねて、担任や園生活に慣れて、かわいい歌声や笑い声に変わり、元気に過ごせるようになりました。
園児さんたちの目覚ましい成長ぶりが、私達保育者の喜びと励みです。
いま園庭では、こいのぼりが風に揺られて元気に泳いでいます。
「こどもの日」は 1948 年に制定され、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福を図ると共に、母に感謝する」ことを趣旨としています。
こいのぼりが宙に泳ぐ姿は、まさに元気な子どもの姿を連想させてくれますね。
先の「ママがいいッ!」の園児さんは今ではその片鱗もなく、よく笑うお子さんになりました。お母様のちょっぴりさびしい切ない気持ちもよくわかります。
別のあるお母様の話ですが、お迎えにみえた時、
「私のこと呼んでいたでしょう?」と。担任は、
「いいえ、今日は一日中ご機嫌でした」
「えーッ?さびしーい!」と。笑い話になりました。
これからが本番です。お子様たちの信頼を得た先生方は、はりきって保育の中身を充実させようと考えています。
ご協力よろしくお願いします。
4月6日 園長 齊藤昌子
桜の花が美しい季節です。
三十年度のご入園、ご進級おめでとうございます。
期待に目を輝かせて登園される園児さんに会うのが楽しみで、仕方ありません。
職員会議では今年はどこまで伸ばしてあげられるのか?
と可能性について先生方と協議します。
つまり、目標をどこに置くかを考えます。
予想を上回って成長された年もありますので、目標は高く持ちます。
クラスの担任の先生方は、その目標をさらに具体化して、お一人おひとりに置きますので、大変ですが、それが楽しみの一つです。
この園だよりを通しても、なるべく具体的にお示しいたしますので、是非ご家庭でのご協力をお願い致します。
親と子と先生と三位一体となって、理想的な園生活を過ごしましょう。