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体育の日になると子供の体力についての記事が新聞に掲載されます。
今年は「子供の体力がこれ以上、下がりようがない危機的な水準ではないか」と
掲載されていました。
これは黙っていられません。
今月は、子供の運動神経について考えてみます。 |
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小学生の運動能力は20年前をピークに低下し続け、この10年間低水準のまま推移していることが、文部科学省が公表した「2006年度体力・運動能力調査」の結果で明らかになりました。さらに「これ以上、下がりようがない危機的な水準ではないか」と指摘しています。
この問題を改善するには、小学校での体育を見直すだけで大丈夫なのか?
私自身も幼児体育を通じて全国の子供たちを見ていても、以前に比べて体力が落ちているように感じます。私の経験から言わせてもらうと、この体力低下の問題は、幼児期なら充分に改善できる、いや幼児期こそ改善する唯一のタイミングに思えてなりません。なぜなら、私が見ている幼児の体の力は素晴らしいとか言いようがないからです。
運動神経は小脳が司っています。その小脳は6歳までに90%でき上がると言われています。つまり運動神経の基礎は幼児期に90%もでき上がってしまうのです。そういわれると、幼児期に一輪車に乗れた人は、大人になっても乗れます。10年乗っていなくてもちょっと練習すると乗れてしまうのです。しかし、幼児期から10歳位までに、その動きを経験したことの無い人は、まったく乗れないか、たくさん練習して乗れるようになるかのどちらかです。
その後、7歳から9歳までは、6歳までに習得した動きをフォローしたり安定させたりする時期にあたります。10歳〜12歳は”即座の習得時期”と呼ばれ、色々複雑な運動や頭を使って行う運動を一回で習得してしまう「ゴールデンエイジ」へと続きます。つまり、7歳以降の小学生の運動能力の発達には、幼児期の基礎づくりが必要なのです。
少しイメージしにくい方のために補足します。
3歳から6歳は、昆虫にたとえると幼虫です。ここでどれだけ大きくなれるかが非常に重要です。7歳から9歳は、さなぎの時期です。時々、「幼児期には非常に伸びたのに、学童の初期には伸び悩み、可能性がないのかと思ってショックです」という保護者や先生方の声を聞きますが、そんなことはありません。この時期をさなぎと考えれば、外から見ると変化が無く見える時期でもあるということです。しかし、中では着実に変化しています。そして、10歳からのゴールデンエイジでは、カブトムシになったり、蝶になって大きく羽ばたくのです。この夏、私の家でもカブトムシが11匹育ちました。カブトムシの成虫の大きさは、幼虫の大きさに比例するのです。さなぎの時に急に大きくなったり、成虫になってからどんどん大きくなったりするのではありません。
幼虫の時にどこまで大きくなるかが成虫の大きさを決める。人間でもそんなに大差はない話なのです。
幼児期の遊びについてもう一度考えてみてください。更に詳しく知りたい方は、COSMO-NETの「YYプロジェクト」のページへお進みください。
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園と保護者と、園児の味方。
北海道から沖縄まで全国の幼稚園・保育園を指導している。
1年間に飛行機に乗る回数は120回を超えるほど、日本中を移動。そんな中で「日記」を書いてくれています。
理不尽なことが大嫌い。普段は「背広モード」か「体操モード」で元気で優しいが、あまりに理不尽なコトがあると「ファイヤーモード」に変身するらしい。 |
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