●ROOM No.9(2008年2月)
「桜のように」
 しりとりのようですが、前回の学びの部屋はさだまさしの歌の話しで終わりました。今回は、そのさださんの著書「本気で言いたいことがある」(新潮新書)からです。
 その本の中で、桜にまつわる私が大好きな話しが2つあります。
 1つ目は、「桜満開の法則」です。
 桜の花は蕾がほころんだ後、毎日の最高気温を足していって、その和がちょうど125度くらいになった頃に満開になります。これが「桜満開の法則」ですが、この自然界の約束をもとにして「桜前線」は予想されるわけです。
 春先は寒暖様々な日がありますが、毎日毎日の積み重ねによって、桜は少しずつ花開き、必ず美しい姿を私たちに見せてくれます。まるで私たちの周りに入る子供たちの成長のようです。
 ただ、狂い咲きといって(突然夏ごろに咲いたりする)この約束を守らない桜もあります。これは桜自らが狂うわけではなく、異常な周りの環境(気温や栄養状態)が桜をそのように狂わせてしまうのです。この現象は今のところ例外とされていますが、最近の異常気象でそのうちたくさんの桜花が狂ってしまうかもしれない。そんな心配もしています。よきにつけ悪きにつけ、この周りの環境と成長の因果関係もまるで私たちの周りにいる子供が育っていく姿のようですね。
 2つ目は、桜は八分咲きが一番美しいという話です。なぜならば九分以上咲いてしまうと、先に咲き始めた花が散り始めていくからです。だから桜の木が一番きれいに見えるのは八分咲きの頃なのです。つまり全部咲こうと頑張っているときの姿なのです。これもなんだか子供や先生に似ています。
 三寒四温といわれるこの時期の気候ように「時には厳しく、基本的には優しく」。そのように接していけばその思いが一定量に達したとき、子供の心にある桜も必ず開花してくれる、そして100点じゃなくても構わない。80点くらいがちょうどいいのだと思い大事に大事に育てていく。これこそが実は子育ての極意なのではないでしょうか。
 さあ、来月は早いもので桜の季節です。


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みぞけんまん
 みなさん、こんにちは! みぞけんまんです。
 このコーナーは、多くの対象の方(子供に関係する方全て)に気軽に読んでいただこうと思いまして、あれこれと考えた結果、特に親しみやすい「映画」や「本」などを切り口にしながら、あくまでアメリカンに、シュガー&ミルクたっぷり?にお伝えし、「全ての道は私立園に通ず」を実証していこうとするものです。
 みなさん、どんどん遊びに来てください! このページを通して、仕事中だけでなくプライベートな時間にも「ラフに」、しかしながら「常に」、子供たちのこと、保護者のことが考えられるような感性を身につけられたら(学べたら)、どんなにすばらしいことでしょう。そんな学びの部屋へご招待します。
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