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ある朝、たかしくんはご飯のとき、お母さんのお皿の上に一枚のメモをのせました。お母さんはそれを読みました。
「たかしからお母さんへの貸し。お使い賃20円・お掃除代10円・勉強をしたごほうび20円。合計50円。」
それは、おかあさんへの請求書だったのです。でもお母さんは少し笑っただけで何も言いませんでした。夕食のときです。たかしくんのお皿の上には一枚のメモがおいてありました。メモの上には50円玉がのっています。たかしくんは「やったぞ」と思いながら、メモを読みました。
「お母さんからたかしへの貸し。病気をしたときのお世話代0円・服や靴やおもちゃ代0円・ご飯代0円。合計0円。」
読み終わるとたかしくんの目は涙でいっぱいになりました。「おかあさん。50円はいらないよ」と言いました。
私の大好きな話のあらすじです。
きっとたかしくんの心に“三つ子の魂は百までも”として一生刻まれる心の宝物になると思います。そして、このたかしくんがお父さんになった時に、次の世代に伝えていく、日本人の遺伝子として受け継がれていくことでしょう。
もし何か感じるものがありましたら、是非このままこの話をわが子に読み聞かせてあげてください。お母さんがあなたをどんな気持ちで育てているのかということ、これがお母さんの愛情というものなんだ、何の見返りも求めない、本当の愛情とはそういうものなんだということをきっと感じてくれると思います。
子供たちの中にはまだこの話しの意味がわからない子もきっといるでしょう。しかし私はそれでもかまわないと思います。子供たちがもう少し大きくなったときに、また読み返せるようにノートに貼ってあげるのもいいかもしれません。
有名なシルヴァスタイン原作の本「おおきな木」でも、大きなりんごの木が、大好きなちびっこのために実をすべて与え、枝を与え、そして幹さえも与え、最後には切り株だけになってしまいますが、「きは それでも うれしかった」と結ばれるこの本からのメッセージに、これからの親子の絆のヒントが示唆されていると思うのは私のこじつけでしょうか。
「子育てはきれいごとだけではできない」という言葉がどこからか聞こえてきそうですが、せめて皆さんの家庭だけでも、そんな「きれいごと」が通用する場所であって欲しいと心から願います。
この世の中に、母と子の絆ほど強いものは無いのですから。
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みなさん、こんにちは! みぞけんまんです。
このコーナーは、多くの対象の方(子供に関係する方全て)に気軽に読んでいただこうと思いまして、あれこれと考えた結果、特に親しみやすい「映画」や「本」などを切り口にしながら、あくまでアメリカンに、シュガー&ミルクたっぷり?にお伝えし、「全ての道は私立園に通ず」を実証していこうとするものです。
みなさん、どんどん遊びに来てください! このページを通して、仕事中だけでなくプライベートな時間にも「ラフに」、しかしながら「常に」、子供たちのこと、保護者のことが考えられるような感性を身につけられたら(学べたら)、どんなにすばらしいことでしょう。そんな学びの部屋へご招待します。 |
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著作紹介 |
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『実践! 新人・若手保育者の
ためのトラブル・シューティング集』
八田哲夫・溝上健二[共著]
¥1000(税込)
購入希望はPDFダウンロード後ファックスにて注文してください。 |
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