|
世間には「究極の選択」と言う言葉があります。今回の学びの部屋では、自分だったらこういう場合どうするだろう? と、とても深く考えさせられた(というか、未だに考えさせられている)映画を2つご紹介しましょう。
一つめは『解夏』という映画です。映画のタイトルの横にはこんなキャッチコピーがありました。「あなたが、失明するとしたら 最後に見たいものは何ですか?」。この作品は、徐々に視力を失い、最後は必ず失明するという難病におかされた小学校教諭が主人公です。
もう一つは『ワンダフルライフ』という映画。人は死んでから天国へ旅立つまでの一週間、必ず立ち寄る「そこ」という場所で一番大切な思い出を三日間で選ぶよう告げられます。その思い出は、「そこ」のスタッフたちの手によって映画としてその人の前で再現されるのですが、その記憶が頭の中に鮮明に蘇った瞬間、人はその「一番大切な記憶」だけを胸に死後の世界へと旅立っていく……というストーリーです。そしてこの映画も「選んでください。貴方の一番大切な思い出は何ですか?」という言葉で締めくくられていたのです。
『解夏』の主人公は故郷に帰り再び母と暮らし、最後にその場面を自分の記憶に焼き付けようとします。『ワンダフルライフ』では、「ひとつだけ」と告げられた思い出選びに登場人物が悩み、それぞれの「一番大切な思い出」を選んでその記憶だけを胸に天国へ旅立っていきました。
私はこの映画を観るたびに、「自分が生きてきた人生の中で、最後に見たいものとは?」「自分だったら「そこ」でどんな思い出を選ぶのだろうか?」と悩んでいます。脳裏には次々にいろいろなシーンが浮かんでは消えていくのですが、結局選べません。感動するより先にこの深い人生のテーマに圧倒され考え込んでしまう特別な作品ですが、私にとってある意味で救われたのは、どちらの映画にも「子供の頃」という匂いがたくさんしていたということです。例えば『解夏』の主人公が帰省を決めたきっかけは、目を閉じたまぶたの裏にふと浮かんだ「子供の頃遊んだ故郷の風景と子供の頃のやさしい母の姿」でしたし、『ワンダフルライフ』では、「そこ」のスタッフたちが、映像作成のための打ち合わせ中、雑談の中で「子供の頃の思い出」についてしみじみと語り合うシーンが印象的でした。
今回あえて結論はこのコラムを読んだ皆さんにお任せします。しかし私は、最後に見たいものに「故郷」や「親の顔」、一つだけ選んだ思い出に「子供の頃の思い出」というのもいいものだな…… と思っています。そしてこれからも続いていく人生の中でその答えを探しだせたら、とも。
最後になりましたが、是非皆さんも一つ私と一緒に悩んでみてください。
「あなたが、失明するとしたら 最後に見たいものは何ですか?」「選んでください。貴方の一番大切な思い出は何ですか?」
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
みなさん、こんにちは! みぞけんまんです。
このコーナーは、多くの対象の方(子供に関係する方全て)に気軽に読んでいただこうと思いまして、あれこれと考えた結果、特に親しみやすい「映画」や「本」などを切り口にしながら、あくまでアメリカンに、シュガー&ミルクたっぷり?にお伝えし、「全ての道は私立園に通ず」を実証していこうとするものです。
みなさん、どんどん遊びに来てください! このページを通して、仕事中だけでなくプライベートな時間にも「ラフに」、しかしながら「常に」、子供たちのこと、保護者のことが考えられるような感性を身につけられたら(学べたら)、どんなにすばらしいことでしょう。そんな学びの部屋へご招待します。 |
|
|
|
|
|
|
|
著作紹介 |
|
『実践! 新人・若手保育者の
ためのトラブル・シューティング集』
八田哲夫・溝上健二[共著]
¥1000(税込)
購入希望はPDFダウンロード後ファックスにて注文してください。 |
|
|
|
|
|
|