●ROOM No.19(2008年12月)
「I(愛)メッセージ」
 今年最後の学びの部屋に遊びに来てくださったあなたへ。ありがとうございます。2008年の学びの部屋もまもなく扉を閉じようとしています。今年も世の中はずいぶんと騒がしい世相でしたが、あなたにとってはどんな一年だったのでしょうか。いろいろと欲を言い出すとキリがありませんが、あなたが「無病息災」、つまり健康で大過ない一年が過ごせたのであれば、とても嬉しいです。しかし、人間は一つくらい病気があったほうが、かえって健康に気をつけるので長生きするとか。これを「一病息災」と言ったりしますが、世の中は本当にままなりませんね。この理屈でいくと一つくらいは「何か」あったほうが、結局あなたの人生も充実するような…気がします。さて、来年はどんな一年になるのでしょう。あなただけではなく、あなたの子供にとっても素晴らしい年になってほしいです!
 今年もたくさんの本を読み、たくさんの映画を観ましたが、今も心に残っている言葉といえば「絶対に当たる占い師にもしあなたがあと一週間で死ぬといわれたら、残された一週間で何をしますか?」「いますぐノートに書き出してみてください」でしょうか。私はそのとき、最初に「自分の子供にこんな大人になってほしい、と心を込めて伝える」と書きました。嘘偽りのない本当の気持ちでした。
 しかし、「では、今あなたはそれをしていますか? していないとすれば何故ですか?」「あと一週間の命だといわれればできることが、どうして今できないのですか?」「それに、この世の中に一週間後も必ず生きているという保証のある人は誰もいないのですよ」と畳み掛けるように書かれた言葉を読んだとき、突然に、そしてはっきりと「やろう!」と思いました。おりしも大学の時の同級生が仕事中に倒れ、子供を三人残して逝ってしまったことと時期がかぶったということもありました。そして今、私も遅まきながら、高校生の息子と娘にかなり煙たがられながらも実行中です。
 私には2009年、上記のように自分の子供に対してメッセージを伝えるとき大切にしたいと思っていることが一つだけあります。それは、「私」を主語にするということです。
「(あなたは)これをやりなさい!」ではなくて「(わたしは)こうしたらいいと思う」といういわゆる「わたしメッセージ」です。以前上司に「I(アイ)メッセージ」だと教わったこの言葉。勝手に「I(愛)メッセージ」と呼び使っています。わが子にとってもなかなかいい感じです。そういえば今、「以前こんなセリフのCMもあったな」と思い出しました。若者の自殺が深刻になった頃で、自殺防止キャンペーンのCMだったと思います。心に沁みたいい言葉でした。
「命は大切だ。命を大切に」そんなこと、何千何万回言われるより、「あなたが大切だ」誰かがそう言ってくれたら……。それだけで生きていける。
 あなたとあなたの子供の2009年が平穏無事でありますように。そんな一年を過ごしていただけたら、(私は)心から嬉しく思います。

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みぞけんまん
 みなさん、こんにちは! みぞけんまんです。
 このコーナーは、多くの対象の方(子供に関係する方全て)に気軽に読んでいただこうと思いまして、あれこれと考えた結果、特に親しみやすい「映画」や「本」などを切り口にしながら、あくまでアメリカンに、シュガー&ミルクたっぷり?にお伝えし、「全ての道は私立園に通ず」を実証していこうとするものです。
 みなさん、どんどん遊びに来てください! このページを通して、仕事中だけでなくプライベートな時間にも「ラフに」、しかしながら「常に」、子供たちのこと、保護者のことが考えられるような感性を身につけられたら(学べたら)、どんなにすばらしいことでしょう。そんな学びの部屋へご招待します。
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