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あけましておめでとうございます。今年も「学びの部屋」にようこそおいでくださいました。今年はまず皆さんに映画史上燦然と光り輝く素晴らしい名セリフを、私からの「お年玉」代わりにプレゼントします。
映画の題名は「ジョルスン物語」。セリフの原文は「You ain’t heard nothin’yet」。直訳すると「あなたはまだ何も聞いていない」です。しかし、実はこのセリフ、日本語吹き替えの時点で、「お楽しみはこれからだ!」と訳されたのです。名意訳だと思いませんか? 直訳では伝わってこない感情が、まるで目の前に迫ってくるようなセリフになりました。意味は同じ、言葉の表現を換えただけで、言葉ってこんなにも力を持つものなのですね。
さあ、いよいよ今年もスタートです。この一年、お楽しみはこれからです!あなたにとっても、子供にとっても、幼稚園・保育園にとっても!
さて、同じような話を今度は本から引っ張ってみましょう。皆さんはフランスのアンドレ・ブルトンという詩人が、物乞いに贈った有名な言葉の話をご存知でしょうか。私はこの話を本で読んだときにも、「言葉の持つ力」の大きさに、少し大げさに言うと、感動してしまいました。それはこんな話でした。
ブルトンがニューヨークに住んでいたときのことです。いつも通る街角に、一人の物乞いがいました。その物乞いは黒メガネをかけていて、首には「私は目が見えません」と書かれた札をぶら下げていました。彼の前には施し用のアルミの皿が置いてありますが通行人は素通り、皿には1枚のコインも入っていませんでした。ある日、ブルトンはその物乞いに、「首にかけている札の言葉を変えてみたらどうか?」と話しかけました。物乞いが「どうぞ、旦那のご自由に」と言いましたので、ブルトンはその物乞いの首に新しい言葉を書いた札をぶら下げてあげたのです。
それからというもの、皿にはコインの雨が降り注ぎ、通行人たちはみな同情の言葉をかけていくようになりました。皿に入るコインの音や、通行人の優しい声は当然物乞いにも聞こえます。数日後、物乞いはブルトンに「旦那、旦那は一体何と書いてくださったのですか?」と尋ねました。ブルトンが物乞いの首にかけた言葉にはこう書いてあったのです。「もうすぐ春がやってきます。でも、私はそれを見ることができません」。
誰が見てもうらぶれた物乞いですし、黒メガネをかけていることから盲人であることもわかります。ですから最初の「私は目が見えません」は、言葉の意味をなしていなかったのです。ブルトンの言葉には力がありました。訴える力、施しを促す力、行動を起こさせる力があったのです。「目的を果たしてこそ言葉である」ということが、この話でよくわかっていただけると思います。
こんな話をしたのは、実は今年、皆さんの子供たちに、自分の気持ちを言葉で表現する力、自分の気持ちを相手に伝える力、そんな大切な力を是非身につけさせてあげてほしかったからなのです。
そのためにはなんと言っても読書が最適です。毎日毎日たくさんの本を読む習慣、この習慣を身につけさせてあげさえすれば、私はこの世の中で立派に生きていく「生きる力」の大半は手に入れることができると思っています。
さあ、私は今年も頻繁に本屋に行き、映画館に足を運びたいと思います。皆さんも是非! そして、そんな時間もない…… というときには、時々この部屋に遊びに来てください。
今年も素晴らしい本と映画を準備して待っています。
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みなさん、こんにちは! みぞけんまんです。
このコーナーは、多くの対象の方(子供に関係する方全て)に気軽に読んでいただこうと思いまして、あれこれと考えた結果、特に親しみやすい「映画」や「本」などを切り口にしながら、あくまでアメリカンに、シュガー&ミルクたっぷり?にお伝えし、「全ての道は私立園に通ず」を実証していこうとするものです。
みなさん、どんどん遊びに来てください! このページを通して、仕事中だけでなくプライベートな時間にも「ラフに」、しかしながら「常に」、子供たちのこと、保護者のことが考えられるような感性を身につけられたら(学べたら)、どんなにすばらしいことでしょう。そんな学びの部屋へご招待します。 |
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著作紹介 |
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『実践! 新人・若手保育者の
ためのトラブル・シューティング集』
八田哲夫・溝上健二[共著]
¥1000(税込)
購入希望はPDFダウンロード後ファックスにて注文してください。 |
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