|
先日書店でウロウロしておりますと、ユニークな題名が目に飛び込んできました。それが標題の「こけたら立ちなはれ」です。関西弁特有の飄々とした、それでいて暖かみのあるこの言葉に興味を覚え、衝動的に買ってしまったのですが、これがなかなか当たり本で、かの松下電器(現パナソニック)創業者松下幸之助氏の言葉がいたるところにちりばめられていたのです。
例えば、昭和9年9月の室戸台風による壊滅的な被害を、当時大阪府門真市に移転したばかりの松下電器も被り、倒壊した工場の門前に立った松下氏が筆者に言った言葉。「かめへん、かめへん。こけたら立たなあかんねん。赤ん坊でもこけっぱなしではおらへん。すぐ立ち上がるやないか。そないしいや」この言葉を読んだとき、これは全く同じことが私たちの生活にも言えるわけで、子育ての、いや親の心構えとも言えるな…と思いました。
工場の倒壊といえば会社にとって相当な打撃だったであろうことぐらいは、会社経営などしたことのない私にでも簡単にわかりますし、そんな被害を前にして社員たちが慌てたり、呆然としたりする姿も容易に想像できます。そんな時に社員と同じように狼狽したり、ふさぎこんだりする社長を見て、一体誰が勇気づけられるでしょうか。危機を前にして社長に求められる反応は、人としてよくある当たり前のそれではなく、「かめへん、かめへん。こけたら立たなあかんねん」と被害状況など、どこ吹く風で、社員に「そうか、そうなのか。済んでしまったことは仕方がない。あとの仕事があるやないか」と奮起させる、そんな態度なのではないでしょうか。これと同じで、この世の中、家族にたとえどんなことがあろうとも、隣のはっちゃんまんの部屋の“できるカモくん”のように、家族全員で「なんとかなるカモ」と力を合わせれば、実際問題、本当になんとかなるものなのです。
いずれにしても、普通の人にはとれないような態度を要求されるのが親であり、それなくして家族の安定はないのだと感じます。子供が、あるいは家族全体が危機的な状況に直面したときに、かの松下幸之助翁ばりに、親として常にそれを乗り越えていけるだけの力を持てるよう、自分自身もそうありたいですし、皆さまにも同じように、明るく強く家族を導く存在であってほしいと切に願います。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
みなさん、こんにちは! みぞけんまんです。
このコーナーは、多くの対象の方(子供に関係する方全て)に気軽に読んでいただこうと思いまして、あれこれと考えた結果、特に親しみやすい「映画」や「本」などを切り口にしながら、あくまでアメリカンに、シュガー&ミルクたっぷり?にお伝えし、「全ての道は私立園に通ず」を実証していこうとするものです。
みなさん、どんどん遊びに来てください! このページを通して、仕事中だけでなくプライベートな時間にも「ラフに」、しかしながら「常に」、子供たちのこと、保護者のことが考えられるような感性を身につけられたら(学べたら)、どんなにすばらしいことでしょう。そんな学びの部屋へご招待します。 |
|
|
|
|
|
|
|
著作紹介 |
|
『実践! 新人・若手保育者の
ためのトラブル・シューティング集』
八田哲夫・溝上健二[共著]
¥1000(税込)
購入希望はPDFダウンロード後ファックスにて注文してください。 |
|
|
|
|
|
|